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「寒いですねー」 僕の隣で室内だというのにマフラーを手放そうとしない小悪魔が言った。 「そうだね」 僕は本から目を放さないまま軽く同意して、あまり関心を持たなかった。 でも彼女はそんなことお構いなし。 まぁ、いつものことだけど。 「あ、○○さん。雪が降ってますよ!?」 「へぇ」 「そうだ! いいところにいきませんか?」 「いいところ?」 言い出したら聞かないのもいつものこと。 僕はしょうがなく本を閉じて彼女のほうを見る。 その瞳はこれから先にある楽しみを確信している瞳。 「そう、いいところです」 会心の笑み。多分僕はこの笑顔に弱い。 いや、確実に。 「じゃぁいこうか」 「はい!!」 さっきまで寒い寒いといっていたのが嘘みたいに元気になって出かける用意を始める。 お気に入りのマフラーはもちろんそのまま、ミトンタイプの手袋とコートを身に着けて、最後に自分の主に一声掛けてこちらを向く。 「よし、行きましょう!!」 「うん」 図書館を出て館の廊下を歩く。 少ない窓からちらちらと降り注ぐ雪を眺めながら僕は、どこに行くのだろう。と、少しわくわくしながら小悪魔の後をついていく。 広い館を行ったり来たり上ったりしてついたのは屋上。紅魔館の屋上から望む雪景色は確かにすばらしいものだった。 「確かにいいところだね」 「まだ先ですよ~」 そういって僕の手をぎゅっと握ると、小悪魔はふわりと浮かび上がった。 彼女は実に楽しそうに鼻歌を歌いながら僕ごと時計台の上まで飛んでいく。 「…………」 「どうです? 素敵でしょう?」 僕の手を離すと小悪魔は屋根の上に腰を落とした。 僕が同じように隣に座ると、少し恥ずかしそうに笑顔を作って顔を紅くした。 「寒くないの?」 「寒いですけど、雪が好きなんです。だから大丈夫ですよ」 あなたこそ寒くないんですか? と、同じ質問をされる。 「そうだな、僕も平気かな」 「ステキな景色ですねぇ」 にっこり笑う。 「寒いですねー」 「そうだね」 11スレ目 104 ─────────────────────────────────────────────────────────── その本、俺が持つよ (こぁに対して) 告白じゃないなw 10スレ目 997 ─────────────────────────────────────────────────────────── 君に俺の名前の半分をプレゼントしたい 10スレ目 999 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「一生懸命な君が好きです。」 11スレ目 981 ─────────────────────────────────────────────────────────── 始まる前に 括弧無しは小悪魔の心中 丸括弧は心中または小言 【】は地の文 まぁそんな感じで 私は小悪魔。紅魔館の図書館でパチュリー様に仕えています。 パチュリー様ったらいっつもいっつも図書館に居て‥‥‥。たまにはお外に出れば良いのに。 小悪魔「パチュリー様!紅茶持ってきましたよ。」 パチェ「ん、ありがと。ここに置いといて。」 小悪魔「パチュリー様ぁ。たまにはお外にお出かけにならないのですか?」 パチェ「出る必要が無いわ。」 小悪魔「毎日図書館に居たら体に悪いですよ。」 パチェ「あなたは私が不健康に見えるの?‥‥‥ごほごほ。」 小悪魔「見えます。」 パチュリー様の行動は「紅茶、読書、魔道書の執筆、居眠り、トイレ」くらい。たまにお嬢様や咲夜様と食事を取る程度。取ると言ってもパチュリー様は食事を取らなくてもいいので二人に合わせて軽く口に運ぶ程度。 私がパチュリー様にとやかく言う事もできないけど、貧血や喘息が治ればパチュリー様は誰にも負けない魔女になれるに違いないわ。 小悪魔「私はパチュリー様の事を思って言ってるだけです。」 パチェ「‥‥‥。そうね、たまには出てみようかしら。」 小悪魔「!」 パチェ「でも私はここに残るから代わりにこあ、あなたが行ってきて。」 小悪魔「ちょ、それじゃ意味無いじゃないですか!」 パチェ「一回で分かりなさいよ。あなたに休みを与えるわ。」 小悪魔「え、パチュリー様?」 パチェ「あなたたまに外に抜け出してるみたいだけど、いつ見つかるかで心が休まってないでしょ?あなたが居ない間は紅魔館のメイドでも置いとくからしっかり遊んできなさいよ。」 小悪魔「あ、ありがとうございます!そ、それであの~、どのくらい‥‥。」 パチェ「いつまででもいいわ。ただし、必ず戻ってきなさい。図書館のメイドを任せられるのはあなたしか居ないんだから。」 パチュリー様からの意外な言葉に驚いたけど、任せられるのは私しか居ないだなんてそんなに私の事を思っててくれたなんて。 小悪魔「は、はい!必ず戻ってきます。ですから、待っててください!」 パチェ「‥‥‥‥‥死亡フラグ‥‥。」 小悪魔「うっ‥‥だ、大丈夫ですよ。パチュリー様を残して先に死ぬなんてそんなことできません!」 パチェ「じゃあ私が先に死ぬのね。」 小悪魔「パ、パチュリー様ぁ~。」 パチェ「もう、分かったから、さっさと行きなさい。」 小悪魔「あ、は…はい!でわ、行ってきます!」 もう、パチュリー様酷いんだからぁ。でもお茶目なパチュリー様が見れてちょっと得しちゃったかも。 【図書館の通用窓から紅魔館内に移動し、門に向かう小悪魔。門には門番の美鈴が昼寝をしていた。】 小悪魔「あ、美鈴様、お疲れさまです。」 美鈴「う…ん?あ!ひえぇぇ!す、すいません~、サボってませんよぉ~。ってあれ、こあ?ど、どうしたの?」 小悪魔「パチュリー様からお休みを頂いたんです。こるから出掛けようと。」 美鈴「パチュリー様から?5分?10分?」 小悪魔「いえそれが、必ず戻ってくるという条件で無期限なんですが‥‥。」 美鈴「な、なによそれ!私なんか真面目に仕事してるのに休みなんてないのに~。」 小悪魔(今、居眠りしてませんでした?) 美鈴「ん?今何か言った?」 小悪魔「な、何も言ってませんよ!」 美鈴「ま、いっか。気を付けていってらっしゃい。パチュリー様こあの事結構信頼してるみたいだから必ず戻ってくるのよ。」 小悪魔「もちろんですよ。美鈴様もお体にお気を付け頑張ってください!」 【紅魔館を離れどこに向かうか分からない小悪魔を見ながら仕事に戻る美鈴】 美鈴「はぁ、私もこあみたいな部下がいれば楽しく仕事できそうなんだけどなぁ。さてと、もう一眠りするかな。‥‥‥‥すやすや‥‥。」 魔理沙「お!門番の奴またサボってやがるぜ。どこぞのサボタージュより使えねえな。」 霊夢「まあ、居ても居なくても変わらないからいいんじゃない?とりあえずお邪魔するわね。」 【ところ変わって小悪魔。誰からも咎められる心配もなく大空を自由に飛び回ってた。】 小悪魔「うわ~~、気持ち良いわぁ。パチュリー様もくれば良かったのに。」 【しかしあまりにもはしゃぎすきたせいかすぐに疲れてきた。】 小悪魔「はぁ、私も運動不足かしら。ちょっとあそこの湖で休もうっと。」 こんな森の中にも湖があったのね。チルノちゃんがいつもいる湖より大分小さいけど新しい発見ね! 【湖の周囲は3~400mくらい、湖と言うよりは池と言った感じである。】 はぁ、外ってこんなに気持ち良かったっけ。地面に寝そべっても何にもぶつからないなんて。このまま転がって湖一周しちゃおうかしら。 【ごろごろと転がりながら池の周りを廻り始める小悪魔。はた目から見たら精神異常者じゃないかと思われるくらいの勢いで転がっている。】 小悪魔「今の私は誰にも止められないのよぉ!!」 【転がっている途中、ぐるぐる廻る視界の中に青い物体が見えた。】 小悪魔「え!だ、誰?」 うっそ~。こんな姿誰かに見られたらもう私ごろごろできないじゃない! 【転がるのをやめてぐるぐる廻る視界のなか青い物体を集中して見つめる。青い物体の正体、それはチルノだった。】 チルノ「あらあらこあちゃん、何してるの?楽しそうね。」 小悪魔「チ、チルノちゃん?」 まさかのチルノちゃんの登場に驚いて立ち上がった私。だけど勢い良く転がってた所為かクラクラするわ。 チルノ「あ、こあちゃん!危ない!」 どっぼ~~ん!!! つ、冷たい!まさか落ちちゃった?湖に?は、早く、早く出ないと!! 【平行感覚を失ったうえに突然の池ポチャ。上も下も分からずに水中でもがく小悪魔。チルノもこれは危ない!と直感したが水中で暴れる小悪魔を安全に池から出せるとは思えないとそこだけは冷静に考えていた。】 い、息が‥‥‥く、苦しい‥‥よぉ‥‥‥‥‥。 ‥‥た‥‥た‥‥す‥け‥‥‥‥て‥‥‥‥‥‥‥。 ・ ・ ・ ・ ・ 小悪魔「はう!!!だ、誰か!誰か助けて!!チルノちゃん!!!‥‥‥あ、あれ?」 ここは?‥‥布団の中? ここは?‥‥チルノちゃんの家? チルノ「あ、起きた!大丈夫?こあちゃん。」 小悪魔「あ、チ、チルノちゃん?私は‥‥。」 チルノ「もう、焦ったわよ。急に池に落ちちゃうんだから。」 小悪魔「チルノちゃんが助けてくれたの?ありがとう。」 チルノ「あたしだけじゃないわよ。」 〇〇「あっ!こあちゃん、起きた?よかったぁ。」 小悪魔「ひゃ!〇〇さん!」 チルノ「近くにいたから手伝ってもらったのよ。いくらあたいが最強だっつってもあんなに転がってる奴は手に余るわ。」 小悪魔「ちょ!チルノちゃん!」 〇〇「え?誰が転がってる?」 チルノ「えっとねぇ、こあちゃんが」 小悪魔「わーーわーーー!!私もう元気よ!!ほらこんなに元気!!‥‥あ、あれれ?」 【チルノの言葉を遮って元気アピールをしながら立ち上がったがまだ気分が悪く立ちくらみを起こしてしまった。そしてそのまま〇〇に向かって倒れこむ。】 〇〇「おっと!まだ気分が優れないんじゃないか?もう少し寝てなよ。」 小悪魔「ひ!あ、ご…ごめんなさい!そ、そのこれは、その、えと‥‥。」 〇〇「俺は大丈夫だから落ち着いて。気分が良くなるまでここで寝てると良いよ。ここは俺んちだから。」 へ?この家は〇〇さんの家?この布団は〇〇さんの布団?これは‥‥‥‥‥。 【布団に倒れるように眠る小悪魔。それを見て〇〇は…。】 〇〇「久しぶりに外に出て疲れちゃったんだろうな。」 チルノ「疲れて寝たというよりは気絶してんじゃないの?」 〇〇「え?そうかなぁ。」 チルノ「とりあえず、あたしは帰るわ。こあちゃんが起きたらあたしの家に来るように言っといて。」 〇〇「お、おう。分かった。」 チルノ「それじゃ、こあちゃん、またね。いい夢見なさいよ、ふふふ。」 【不適な笑みを浮かべ〇〇の家を後にするチルノ。】 ──────────── 小悪魔「ん、ん~‥‥。」 〇〇「ん、こあちゃん、起きた?」 【小悪魔の声に気付きこたつから体を起こす〇〇。】 小悪魔「んあ、〇〇さん‥‥。ここ、〇〇さんの家?」 〇〇「そうだよ、ゆっくりしていっていいよ。」 はぁ、格好つかないなぁ。せっかく〇〇さんの家に居るのに変な所見られちゃったんだろうなぁ。 あれ?外に干してあるあの服、〇〇さんのかなぁ。でもあんな服、〇〇さんに似合わなそうだけど‥‥。私の服に良く似て‥‥‥。ん?私の服に‥‥私の…私の服!? 小悪魔「あ!あれ!私の服!!?」 〇〇「うん、びちょびちょだったから洗濯して干してるんだよ。」 小悪魔「え、じゃあ今私が着てるのは?」 〇〇「それは俺の浴衣、やっぱりちょっと大きかったかなぁ。」 ちょ、服がびちょびちょって事は下着は‥‥‥‥濡れてない。ってこれは私のじゃないわ。まさか〇〇さん、こんな趣味があったのかしら。 〇〇「あ、その…、下着はチルノが大ちゃんから借りてきたって。それでこあちゃんのはチルノが持って帰ったよ。チルノが『女の子の下着は男に見せるもんじゃない!』って」 小悪魔「で、でも、下着も着替えてあるって事は‥‥‥。」 〇〇「だ、大丈夫だよ!着替えはチルノ一人でやったから俺はそんなに‥‥じゃなくて、全然見てないよ!」 〇〇さんに見られちゃった?うぅ~恥ずかしいよぉ‥‥。 〇〇「そ、そういえばチルノが起きたら家に来てって言ってたよ。下着の事じゃないかな?」 チルノちゃんに一番見られてるからなぁ、行ったら何言われることやら。でも助けてくれた事もあるし下着の事もあるし、行かなきゃ。 【胸元に手をやる小悪魔。彼女は不安になると無意識の内にペンダントを触る癖がある。】 小悪魔「大丈夫かなぁ。‥‥‥あれ、ペンダントは?〇〇さん、私のペンダント知らない?」 〇〇「え?知らないけど…。」 小悪魔「え!うそ!そ、そんな、ペンダント、私のペンダント!どこ?どこなの?」 はっ!まさか湖に落ちたときに落としちゃったの?探しに行かなくちゃ! 小悪魔「〇〇さんありがとう、私、ペンダント探しに行かなくちゃ。」 〇〇「え、あ、ちょっとこあちゃん!」 【浴衣を脱ぎ捨て下着姿のまま庭まで走り干してある自分の服を着る。もう乾いていた。ということは大分時間が経っていたのだろうけど、今の小悪魔にはそんなこと考えてる余裕が無かった。】 〇〇「ちょ、ちょっとそんな格好で!」 〇〇さんに確実に見られちゃった!上下真っ黒ってこれ大ちゃんのよね?あの娘意外と‥‥ってそんな事考えてる場合じゃないわ! 小悪魔「〇〇さんありがとう、それじゃ、もう行くね。」 〇〇「待って!ペンダントは‥‥‥行っちゃった…。」 きっとさっきの湖にあるはずよ。まずはその湖を探さないと。 【池を探すために高くまで飛び上がったがさっきの池は意外にも〇〇の家のすぐ近くにあった。】 あれね、こんなに高く飛ぶ必要なかったわ。 【池に降り立って早速池の中を覗き込む。水は非常に綺麗で透明度も高い、しかしそれでも底が見えないほど深かった。】 ここに落としてたら見つかりそうもないわ。あとは転がってる時に落としたとしか‥‥。 【池の周囲を周りペンダントを探すが見つからない。まさか池の中にと思った瞬間に涙が溢れてきた。】 小悪魔「私の…ペンダント‥‥、〇〇さんがくれた…ペンダント…、〇〇さんが‥‥‥うっ、うぅっ、うえ~~~ん!ペンダントないよぉ!え~~ん、え~~~~ん!」 〇〇「あ、いた!ってどうしたの!?」 小悪魔「えぇ~~ん、〇〇さんに…〇〇さんにもらった‥‥ひぐっ…ペンダント、なくしちゃったのぉ‥‥うえぇ~~~ん!」 【〇〇に抱きついて泣き叫ぶ小悪魔。その頭をやさしく撫でる〇〇。】 小悪魔「え~~ぇん、ごめんなさい!‥‥私、うぐっ‥‥私、せっかく〇〇さんが‥‥ぅえぇ~ん。」 〇〇「そ、その、ごめん!ペンダント‥‥‥ここにあるんだ…。」 小悪魔「えぇ~ん‥‥ひぐっ…うぐっ‥‥え、わ、私の‥‥‥ペンダント?‥‥ひっく…。」 〇〇「そう、チルノちゃんが『そのペンダント隠しておけば面白いものが見れる』って‥‥‥、でもまさかこんなことになるとは…ごめん!」 小悪魔「私の…うぅ、…〇〇さんからもらったペンダント‥‥あったのね‥‥。よ、よかったぁ…うっく。」 〇〇「ごめん、本当にごめん!」 小悪魔「見つかったんだからいいですよ。‥‥‥‥あ!私の方こそごめんなさい!…抱きついちゃったりして‥‥。」 〇〇「え、あ…あぁ…いいよ、気にしないで。」 小悪魔「その、えっと‥‥あ、そうだ!チルノちゃんが呼んでたんだよね。私行かなくちゃ。」 【振り返ってチルノの家に向かおうとする小悪魔。その小悪魔の手を引き、引き止める〇〇。】 小悪魔「ひゃ!え、どうしたの?」 〇〇「体冷えちゃったでしょ?俺の家行ってあったまってからにしようよ。それにこあちゃん、チルノの家わからないでしょ?俺が途中まで一緒に行ってあげるから‥‥。」 小悪魔「〇〇さん‥‥‥。じゃ、じゃあお言葉に甘えちゃおっかな、えへへ。」 【手をつないで〇〇の家に向かう二人。その姿を木の影から見ているものが一人。】 チルノ「ふふ、計画通りってやつね‥‥。」 ───────────── 【手をつなぎながら〇〇の家に向かう二人。小悪魔は顔を赤らめ俯いたまま〇〇のやや後ろを歩いている。】 はぁ、さっき思いっきり泣いちゃったし〇〇さんに抱き付いちゃったし私の気持ちなんてお見通しよね。 【家に着いて〇〇がお茶を出す。二人きりでうれしいはずなのだが今は少しでも早くここから逃げ出したい気持ちの小悪魔。そこで話を切り出した。】 小悪魔「あの、そ、そろそろ行かないと、チルノちゃんに悪いし…。」 〇〇「もう行っちゃうの?もっとゆっくりしていっても構わないけど‥‥。そういえば大分時間経っちゃったね。チルノも心配してるかな?いや、チルノならそんな事思わないかもね。」 【ちょっと熱いがお茶を飲み干し立ち上がる小悪魔。〇〇も途中まで送ると言ったので立ち上がる。】 〇〇「こっちこっち、この辺は暗くなると迷いやすくて危ないからまだ明るいうちに向かった方がいいよ。」 小悪魔「あ、ありがと。」 【さっきみたいに手をつなげず、少し離れて後ろからついていく小悪魔。数分歩いたところで〇〇が前方を指差す。】 〇〇「ここを真っすぐ行くと大きくて太い木があるからその木まで行ったら右ね。すぐ近くにチルノの家があるはずだから。」 小悪魔「ありがと‥‥、そ、それじゃ。」 【足早に立ち去ろうとする小悪魔の後ろから声をかける〇〇。】 〇〇「まさかこあちゃんがあのペンダント持っててくれたなんてうれしいよ。またいつでもうちに来ていいからね。ってかその…また来てね。」 小悪魔「え?あ、はい!また必ず来ます!」 【〇〇が言った言葉に〇〇との距離を遠ざけていた自分が惨めに思えた小悪魔。自分の事を気にかけてくれる〇〇の言葉に先程までの小悪魔は消え去りすっかり元通りの小悪魔へと戻った。】 小悪魔「〇〇さん、ありがとう。また来ますからねぇ。」 〇〇「なんだか、元気になったみたいだな。よかったよかった。それじゃ、気を付けて。」 もう、私ったら馬鹿ね。自分で思い込んで自分で落ち込ませて、〇〇さんは何も悪くないのにね。 【そう自分に言い聞かせチルノの家へ向かう。】 確かこの木の右側ね。‥‥‥あれかしら?この辺だと家って言ったらあれくらいしか…。 【森の中にたたずむログ調の小屋、これがチルノの家だ。】 小悪魔「チルノちゃ~ん。来たわよ~。」 チルノ「もう、遅いわよ!〇〇と何してたのよ。」 小悪魔「べ、別に何も…。」 チルノ「まぁ、とりあえず入りなさいよ。」 【チルノに促されるまま家に入る小悪魔。中は割とすっきりしていてチルノの性格からは想像もできないほどきれいにまとまっている。】 小悪魔「きれいな家ねぇ。ここチルノちゃんの家よね?」 チルノ「その言い方ちょっと失礼じゃない?こあちゃん。まぁ、あたしの家じゃないけど。」 小悪魔「え?どういうこと?」 チルノ「大ちゃんの家なんだけど今大ちゃんいないから借りてるだけなのよ。」 小悪魔「へぇ~。」 【なぜ居ないのか、気になったが野暮な事は聞かないようにした。なにか訳ありなんだろうと自己解釈しその話題は終わった。】 小悪魔「それで、呼び出した理由は一体何?」 チルノ「〇〇の事に決まってるでしょ。こあちゃん、〇〇の事好きなんでしょ?」 【突然のチルノの言葉に固まる小悪魔。アイシクルフォールとかパーフェクトフリーズとかそんなチャチな物では断じてない。まるで小悪魔の時間だけが止まっているかのように完全に固まっている。】 チルノ「だからお手伝いしてあげようと思ってね。‥‥って固まりすぎよ!」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 チルノ「まったく、そのくらいの演技であたしが騙せるとでも思ってるの?」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 バタッ 【突然倒れる小悪魔。気絶しているのか、虚ろな目をしながら何やらぶつぶつと呟いている。】 チルノ「ちょっと!しっかりしなさいよ!」 【体を激しく揺すり意識を戻させるチルノ。そのかいあってか小悪魔はどっかの世界から戻ってきた。】 小悪魔「はっ!わ、私は‥‥。」 チルノ「もう、好きなんでしょって言っただけなのに何考えてたのよ。」 小悪魔「あ、そ…その事は〇〇さんには…?」 チルノ「まだ言ってないわよ。」 【依然、固まったまま目が泳いでいる。そこでチルノは…。】 パチン! 小悪魔「きゃっ!」 【小悪魔の頬を軽くはたいた。】 小悪魔「チ、チルノちゃん!なにするの?」 チルノ「しっかりしなさいって、そんなんじゃ逃げられちゃうわよ。」 小悪魔「で、でも。そんな急にこ、告白とかそんな。」 チルノ「お、割と聞いてたのね。それに急じゃないでしょ?こあちゃんは今日〇〇に会って今日〇〇が好きになったわけじゃないでしょ?」 【チルノの一言に納得して話を聞き入る小悪魔。しかし、その心は不安でいっぱいだ。なぜならこっちがその気でも相手には興味が無かったら意味が無いのだから。】 チルノ「大丈夫よ、ちゃんと手は打ってあるから。」 小悪魔「何をしたの?」 チルノ「起きた時、ペンダントが無くなってたでしょ?あれは‥‥。」 小悪魔「そ、そうだわ!なんてことしてくれたのよ!もう、下着姿は見られちゃったし泣き姿も見られちゃったし挙げ句の果てには抱き付いちゃったし‥‥しくしく。」 チルノ「ちゃんと最後まで聞きなさい!その下着姿が大事なのよ。こあちゃんが今付けてる下着、ただの下着じゃないのよ。」 【チルノの言葉に目の色を変えて聞き入っている。普通の下着じゃない?それが大切なこと?】 チルノ「その下着、ちょっとした催眠効果があってね‥‥。」 小悪魔「私の事好きになるとか?でもそんなので付き合っても…。」 チルノ「だ~か~らぁ、最後まで聞きなさいって!で、その催眠効果なんだけど、その人を好きになるとかじゃなくて『潜在意識を呼び覚まし強調させる』効果があるの。」 【よくわからない様子の小悪魔。潜在意識?それを強調?そうするとどうなるの?】 チルノ「そうねぇ、簡単に説明できるかしら。たとえばリンゴとミカンがあるとする。両方同じくらい好き。でも過去にリンゴで嫌な事、ミカンで良い事があった時、この効果をかけるとリンゴは嫌いでミカンがすごく好きになるの。」 小悪魔「え、じゃあ、まさか‥‥。」 チルノ「わかった?つまり心のどこかで〇〇がこあちゃんに好意をもってればこあちゃんが好きになる。逆なら嫌いにってこと。」 【ふと〇〇さんと居た時の事を思い出す。まさか、そんな、私なんかを…。】 チルノ「心当たりがあるみたいね。」 小悪魔「あ、そうだ、下着返さないと。洗って返すから待ってて、それと私のは?」 チルノ「その下着はいつでもいいけど、それとこあちゃんの下着は〇〇の家よ。持って帰ったって言っておいたけど本当は洗面台に置いてきたわ。」 小悪魔「見つけられちゃったらどうするのよ!」 チルノ「まぁ、確実に見つかるでしょうね。その時の反応が、〇〇の性格からして『洗って干しておきたかったけどこあちゃんの許可無しに触れない』って感じだったらもう告白しちゃって良いと思うわ。」 それは言うなれば、次に〇〇さんの家に行ったときに私の運命が変わると、大袈裟かもしれないけどそういう事。どちらに転んでも私は受け入れるしかない。もし悪い方に転んでしまったら私はこの先どうすれば…。 チルノ「今日はもう暗くなっちゃったしここに泊まって明日行けば?〇〇に夜は危ない、とか言われたんじゃない?」 小悪魔「…うん。」 チルノ「こあちゃん、良い方向に進んでるわよ。」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 【顔を真っ赤にして俯く、まさか本当に、という気持ちがあるがその反面本当は自分の空回りだったら、と思うとうれしい気持ちも吹き飛んでしまう。そんな気持ちの上下で不安定ながら今は平均して0の気持ちだ。】 チルノ「それじゃ、今日は一緒に寝てあげよっか?」 小悪魔「へ?一緒に?」 チルノ「恐いでしょ?明日になるのが。一人で寝て泣かれるのも困るし。」 小悪魔「…うん。一緒に寝て。」 【布団を一つだけ敷いて一緒に寝始める。】 小悪魔「‥‥‥‥うぅ、‥‥しくしく‥‥‥。」 チルノ「やっぱり泣くとは思ったけどね。‥‥よしよし。」 【小悪魔の頭を撫でながら仲良く眠りについた。】 【翌朝、小悪魔が目を覚ますと隣にチルノの姿はなかった。】 小悪魔「ん、チルノちゃん?」 【周りを見渡しても呼んでも返事が無い。どうやら家の中には居ないようだ。】 小悪魔「どこ行ったのかなぁ。」 【起き上がろうと手を付いたときに枕が濡れているのに気付く。ついでに自分の両目も。】 小悪魔「あれ、これ。私の…涙?私泣いてたの?」 【自覚していなかったがどうやら自分は泣いていたんだと理解した。そして昨日の夜、チルノから聞いた催眠効果の事も思い出した。】 そうだわ、今日、〇〇さんの家に行った時に覚悟を決めなくちゃ。せっかくチルノちゃんが作ってくれた機会だもの。 チルノ「ただいまぁ、あ、起きたのね。」 小悪魔「あ、おはよう、チルノちゃん。どこに行ってたの?」 チルノ「魚採ってきたのよ、朝食べるの。」 小悪魔「チルノちゃん、釣りできたっけ?」 チルノ「やったことないわよ。罠仕掛けて採ったのよ。」 チルノちゃん、罠作れるんだ。すごいなぁ。 【採ってきた魚を特に工夫することもなく塩焼きにするチルノ。でも今の小悪魔にその姿は眩しく輝いていた。】 チルノちゃんが料理(?)してるなんて、私チルノちゃんの事、ちょっと誤解してたかもしれないわ。人の事なんか気にしない性格だと思ってたけど…。 チルノ「こんなのだけど、どうぞ。」 小悪魔「ありがとう。いただきます。」 うん。焼き魚だわ。普通の焼き魚だけど昨日のチルノちゃんの事を考えるとなんだか心がこもっているみたい。 【一通り食べ終え一緒に片付けをする。片付けをしている最中、チルノが話し始めた。】 チルノ「こあちゃん、分かってるわよね。今日は〇〇の所に行くんでしょ?」 小悪魔「う、うん。でも不安だわ、本当にあの言葉は私に好意を持ってる言葉なのかな?って。」 チルノ「自信持ちなさいよ!〇〇は自分の事が好きなんだ!って思わないと上手く行くものも失敗しちゃうわよ。」 【チルノの言葉に頷く小悪魔。自信を持つ事は大切だが、やはり不安は拭えない。もしダメだったら…という気持ちが心の隅に生まれてきてしまう。】 チルノ「さ、片付けも終わった事だし、さっそく向かうわよ。」 小悪魔「え?もう?」 チルノ「善は急げって言うでしょ?」 小悪魔「善、なのかな?」 【チルノと一緒に〇〇の家に向かう。家に近付くたびに高鳴る鼓動を抑えようと深呼吸したり遠くを見つめてみたりするが、効果は無い。】 あぁ~、一体なんて言えばいいのかしら。ストレートに好きです?それともお友達から?控えめにこれからもよろしく? 【何か考え事をすると時間の経過が早くなるもので、気が付いたら〇〇の家の前に着いていた。】 チルノ「あたしにできるのはここまで。後はこあちゃんの問題ね。」 小悪魔「うん…、頑張ってみるね。」 【玄関の前に立って大きく深呼吸を三回。そして声をかける。】 小悪魔「〇、〇〇さ~ん‥‥いますか?」 〇〇「は~い、あ、こあちゃん。おはよう。」 【いつもと変わらぬ〇〇の姿に少し安心する小悪魔。】 小悪魔「お、おはよう‥‥ございます。」 〇〇「ほらほら、上がっていいよ。」 小悪魔「そ、それじゃあ、お邪魔します。」 【ぎこちなく家に上がる小悪魔。和室に案内されこたつに入ってるよう言われる。】 〇〇「今、お茶持ってくるよ。」 小悪魔「あ、いや、そんな…差し支えなく‥…。」 〇〇「ん、ん~‥‥。」 【緊張しているせいか言葉遣いが普段と異なって妙に丁寧になってしまった小悪魔。とりあえずお茶を持ってきて話しを始める〇〇。】 〇〇「その、あのさぁ、一つ言っておかなきゃならないからさ…。」 小悪魔「あ、え?ど、どうしたの?」 〇〇「昨日のペンダントの事、チルノちゃんに言われたとはいえあんなになるとは思わなかったし、あんなに大切にしてくれてたなんて…。だから、ごめん。そしてありがとう。」 小悪魔「そ、そんな!私は〇〇さんからもらった大切なペンダントだからあの時は必死で…。」 〇〇「だからうれしいんだよ。」 そんなこと言われちゃったら私もうれしくなっちゃうよ。今度は私が言わなくちゃ。 小悪魔「あ、あの。〇〇さん。」 〇〇「ん?なに?」 小悪魔「私も今、言っておきたい事があるんだけど、いいかな?」 〇〇「うん、いいよ。」 落ち着け、落ち着くのよ私。落ち着いて順番に話していけばきっと大丈夫。 小悪魔「あの、私‥‥〇〇さんと…お友達に‥‥‥なりたいの。」 〇〇「‥‥‥もう、友達だと思ってたのは俺だけ?」 小悪魔「え、わ…私と、お友達だって思ってくれてたの?」 〇〇「ずっと前から友達だと思ってたよ。俺の中ではこあちゃんが一番の友達。というか友達少ないけどね、はは。」 〇〇さんがお友達だって思っててくれたのに私ったら何やってるのかしら!だったらもっと思い切って言わなくちゃ。 小悪魔「そ、それじゃあ、お…お友達‥‥以上は?」 〇〇「恋人って事?」 小悪魔「ひゃ!そ、そんな大それた事は!ま、まだ早すぎるわ!」 〇〇「そう?俺はその…。」 小悪魔「えっとその‥‥‥、恋…人‥‥だなんて言葉にしたら…、あの…その…。だ、だから、お友達からゆっくり‥‥、い…いい関係を‥‥‥ね?」 せっかくのチャンスなのに私ったら何言っちゃってるの。これじゃあ、私の方から距離を置いてるみたいじゃない。 〇〇「それじゃぁ、今度からもっと図書館に行っていいかな?」 小悪魔「え、あ、うん。待ってる。私も…〇〇さんに会いに来ても‥‥いいかしら?」 〇〇「パチュリーに叱られないようにな。」 小悪魔「ありがとう。あの、それじゃ‥‥そろそろ、帰るね。ま、また‥‥‥会いましょ。」 〇〇「うん、絶対行くから。」 小悪魔「‥‥‥///」 【赤くなった顔を隠すように俯いて〇〇の家を出る小悪魔。外に待ってたチルノが一言。】 チルノ「その顔は上手くいったみたいね。」 小悪魔「うん…まぁ、ゆっくりと‥‥だけどね。あの、チルノちゃん‥‥‥ありがとうね。」 チルノ「いいのよ。あたいは幸せになってく二人が見れればね。」 小悪魔「色々あったけど、結果が良ければ大丈夫よね。そろそろ戻るわ。機会があったらいつでも図書館にきてね。」 チルノ「門番がいるんじゃないの?」 小悪魔「私の友達って言えば大丈夫だと思うよ。ダメだったら私が作った秘密の入り口があるから。」 チルノ「あんたが作ったのなんてもうバレてるんじゃないの?」 【他愛もない会話を軽くしてチルノは森へ、小悪魔は紅魔館へと戻った。】 紅魔館 小悪魔「パチュリー様!ただいま戻りました!…ってこれは一体!?」 【図書館に入ると館内中に2、30を超えるメイド、給湯室にも3人のメイドがいた。】 パチェ「早かったわね、こあ。もっとゆっくりしてきても良かったのに。」 小悪魔「パチュリー様、これは一体どういうことですか?こんなにメイドの皆さんが…。」 【メイドの一人が紅茶を持ってきた。テーブルに置かれた紅茶を眉間にしわを寄せながら飲むパチュリー。】 パチェ「これくらい居ないと貴方の代わりは補えないのよ。‥‥まだ補えてないけど。」 小悪魔「それはありがたいですが…。」 パチェ「貴方達、こあが来たからもう戻っていいわよ。」 【ぞろぞろと図書館中から出入口に集まってくるメイド達。図書館を出ながらしきりにお礼を言ってくる。】 「こあ様、ありがとうございます。」 「お早いお帰り、感謝いたします。」 「お羽、伸ばせましたか?こっちはもう‥‥あ、いやその、なんでもないです。ありがとうございます。」 【なんだか良く分からないが擦れ違うたびにお礼を言われる。そんなに早く帰ってきたことがうれしいのだろうか。】 小悪魔「パチュリー様、何かなされたんですか?」 パチェ「さぁ?」 私には分かるわ。パチュリー様が怒るときに発するあの魔力、あれを感じてたに違いないわ。確かに図書館の仕事って私しかしてないから普通のメイドには大変かもしれないけど、あんなに怯えるまで怒らなくても…。 パチェ「部屋に戻るわ。紅茶をおねがい。」 小悪魔「あ、はい。」 【部屋というか本棚に囲まれた一角にパチュリーの寝室のような部屋がある。紅茶をいれて寝室に向かう小悪魔。本棚の本の並びがバラバラになっているのを見るとこれからの仕事の多さに肩を落とす。】 小悪魔「お持ちしました。」 パチェ「とりあえずそこに置いといて。それでこあ、貴方にはこれから週一度休みを与えるわ。」 小悪魔「え!?どうしたんですか、急に!」 パチェ「貴方の顔を見れば一発よ。早く図書館から出てある場所に行きたいって顔。」 小悪魔「私、そんな具体的な顔してるんですか?」 【持っている本をパラパラとめくるパチュリー。】 パチェ「ここに書いてあるわ。 そんな顔をするのは普段から長時間の拘束を強いている証拠。一週間に一日くらいは暇を与えてはどうだろうかってね。」 小悪魔「それはうれしいんですが、パチュリー様はいいんですか?また図書館中にメイドを置くんですか?」 パチェ「咲夜に任せるわ。まだ彼女の方がマシね。貴方程ではないけど。」 小悪魔「そんな、咲夜様よりだなんて!」 パチェ「図書館の中でのみよ。」 小悪魔「それはそうですが…。」 【咲夜より上だと言われ焦るが図書館内のみと言われ落ち着きを取り戻す小悪魔。それでもうれしいことには変わりはないのだが…。】 パチェ「それと、チルノが尋ねてきたら通してちょうだい。」 小悪魔「え?チルノちゃんが?はぁ、わかりました。では仕事に戻りますね。」 【なんでチルノちゃんが?と思いつつも本棚を整理し始める。これは今日中に終わりそうもない。小悪魔が戻るのがもっと遅かったら一体どうなっていたのだろうか。】 (こあちゃ~~~ん、いる~~~ぅ?) 小悪魔「あれ?この声は。」 チルノ「あ、いたいた。」 小悪魔「やっぱりチルノちゃんだったの‥‥え?〇〇さんも?」 〇〇「いや、必ず行くって言ったから早速来ちゃった。」 チルノ「あたいはパチュリーのとこ行くから二人でイチャついてなさいよ。」 小悪魔「チルノちゃん!なにを‥‥‥////」 【小悪魔からパチュリーの居場所を聞き寝室へ向かうチルノ。】 パチェ「来たわね、今解いてあげるわ。」 【今パチュリーが解いたもの、それはチルノにかかってた魔法。】 パチェ「知能を急激に上昇させる魔法、普通の人なら知恵熱で自然発火するけど冷気を操る貴方になら使えるわ。」 チルノ「はぁ、疲れたぁ。頑張ったんだからジュースでもちょうだいよ。ってかそれならレティでも良かったんじゃないの?」 パチェ「彼女にも使えるけど貴方と違って自分の頭だけ局所的に冷やすことはできないのよ。もし彼女に使ってたら辺りは凍死体の山ね。それに貴方はこあと仲がいいでしょ。」 チルノ「あたいは涼しい方がいいけどね。それよりあの二人どうするのよ、熱くて近寄れやしないわ。」 【遠くから二人を見つめるパチュリーとチルノ。二人ともモジモジしててぎこちない。】 パチェ「ふぅ、まったく、世話が焼けるわね。 『モジモジする二人をスムーズにして尚且つ赤髪に仕事を始めさせる方法』は…っと。‥‥‥あった、これね。」 チルノ「そんなのあるの?」 パチェ「私の図書館の本に不可能の文字はそんなに無いわ。」 おわり 12スレ目 282、304、340、452 ─────────────────────────────────────────────────────────── ここは紅魔舘の図書館である ○○「こんにちは~ってあれ?だれもいない?」 タッタッタッタッ こあ「はぁはぁ、こ、こんにちは○○さん今日はどのようなご用件でしょう?」 ○○「こんにちは、こあちゃん。今日はパチュリーさんに呼ばれてきたんだけど……」 こあ「それならこちらへどうぞ」 パチュリー「あら、いらっしゃい。早かったのね」 ○○「こんにちはパチュリーさん」 パチュ「小悪魔、紅茶を持ってきて3、いや4人分」 こあ「わかりました。パチュリー様」 そういってこあは台所へ飛んでいった パチュ「いいかげんにその「パチュリーさん」をやめてくれない?パチェでいいわ」 ○○「それならパチュリーさんも小悪魔なんて呼ばないで「こあ」でいいじゃないですか?」 パチュ「……言うようになったじゃない。まぁいいわ、今日はあなたに聞きたいことがあって来てもらったの」 ○○「なんですか?」 パチュ「あなたこあk、いや、「こあ」の事が好きなのよね」 ○○「……そうですが何か?」 パチュ「そのことを彼女は知っているのかしら?」 ○○「片思いってやつですよ。それに彼女を困らせるわけにもいかないし……」 パチュ「というわけでこの人を呼んだわ」 魔理沙「恋色の魔法使い、霧雨魔理沙、参上だぜ!!」 ○○「恋色って何色なんですか?」 魔理沙「……お前は痛いところをついてくるな。恋色は恋色だぜ?」 パチュ「……こほん、ということで魔理沙、○○に恋のナンやらを教えてあげて頂戴」 魔理沙「任せろだぜ!!まず、お前はもう少し我がままになった方がいい。相手がほしいなら力ずくだぜ!!」 ○○「力ずくって……弾幕じゃないんですから。それに俺がこあをもらっていったらこの図書館に司書がいなくなってしまいますが?」 パチュ「その辺ならどうにかなるわ。また使い魔を召還すればいいだけの話しだし」 魔理沙「というわけだぜ。安心して告白してこい!!」 こあ「紅茶持って来ました~。魔理沙さんいらっしゃい」 魔理沙「ほら言って来い○○!!」 ○○「あ、あのさ本を探してるんだけど一緒に探してくれないかな?」 こあ「えっ、あ、いいですけど。じゃ、じゃあ行きましょうか」 二人して図書館の奥の方へ歩いていった 魔理沙「……上手くいったな。これでいいのかパチュリー?」 パチュ「……これでいいのよ。こうした方があの子達にとってもいいはずだわ」 こあ「あ、あの、どの本をお探しですか?」 ○○「え、と、俺にでもできそうな魔道書を」 こあ「それなら……向こうの方ですね」 そういってこあは立ち止まった ○○「?どうしたのこあ?」 こあ「あ、あのですね!!ここからだと遠いので、て、手握ってもいいですか?飛んでいけば早いので……」 ○○「あ、ああいいよはい」 そういって俺はこあの手をとる こあ「○○さんの手、暖かいですね……って何言ってるんだろう私!!そ、それじゃあ行きますね」 二人の姿が宙を飛ぶ こあ「着きました○○さん」 ○○「おっとと、ありがとうこあ」 こあ「……そのですね、も、もう少し手を握ってていいですか?」 ○○「ん、別にいいよ」 こあ「……」 ○○「……」 こあ「……っ……うっ……」 突然こあが泣き始めた ○○「どうしたのこあ?」 こあ「わ、私、あ、あなたに謝らなきゃいけないんです。その、さっきの会話……」 ○○「え~と、多分魔理沙さんとパチュリーさんとの会話か」 こあ「その、はじめは聞く気なんてなかったんです。でも話しているのが聞こえちゃって……」 ○○「ど、どの辺あたりから聞いてた?」 こあ「え、とパチュリーさまがこあk、って言ってたあたりから……本当にごめんなさい」 ○○「……プッ、アハハハハハ!!」 こあ「!?」 ○○「ああもう何か吹っ切れたよ。ありがとうこあ」 こあ「えっ、あの……?」 ○○「俺はこあのことが好きだ。この幻想郷、いや、世界中で誰よりも愛している。この気持ちはきっといつまでたっても変わらない。そしてこの気持ちをくれたのは君なんだ。だから俺は君の事をずっと愛したい」 こあ「う、嬉しいです○○さん。私も○○さんのことが好きです!!」 ○○「あ、あれなんか俺も目から涙が……きっとこあからもらったんだな」 こあ「そうかもしれませんね……私が涙を取ってあげます」 ペロッ ○○「こ、こあ!?」 こあ「ふふっ、これでも一応小悪魔なので♪」 ○○「そうだったね、すっかり忘れてた」 こあ「○○さんったらひどいんですから~……さてこれからどうしましょう?」 ○○「う~ん、本は後でいいから庭に散歩でも行こうか」 こあ「そうしましょうか♪」 二人は手をつないだまま図書館のドアを開けていった おまけ 魔理沙「……帰ってこないな」 パチュリー「……そうね」 魔理沙「暇だから私は帰るぜ。ついでにこの本も借りてくぜ」 パチュリー「もってかないでー」 おまけのおまけ ○○の日記 ~~~と こうして僕たちは付き合うことができた そして僕はこの図書館の司書手伝いとして働いている。……門番よりかは良い待遇である 感謝の気持ちとして魔理沙には貸し出しカード(期限は3ヶ月)をパチェに発行してもらえるように頼んだ そしてパチュリーのことを、仕事以外ではパチェと呼ぶようにした おっとこあが呼んでるから行かなくちゃ えっと続き続き こあは今では良い奥さんとして一緒に暮らしていて、裕福とまではいかないが暮らしていけるほどの給料をもらっている そうそう、こあは使い魔として開放されて、自由を手に入れたみたい。でもパチェのことをまだ様付けで呼んでいる ふうこんなところかな こあ「○○さ~ん」 ○○「どうしたこあ?」 こあ「パチュリー様が結婚式は来週のいつか?って聞いてくるんですけど……」 ○○「水曜日って言っておいてくれ。あとこあ、お腹大丈夫か?」 こあ「大丈夫ですよ~。前みたいに飛ぶのは怖いですけど、……今ではあなたがいますし、それにこの子だっています。それに比べれば軽いものですよ」 ○○「そうか……うん、そうだよな。さて俺も手伝いを再開しますかな」 こあ「さぁいきましょう。あなた」 ○○「うん、行こう!!」 うpろだ1036 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「おし、今日もイチャスレでも見るか」 トントン ○○「ん、誰かきたお。はーい今出ます」 ガチャ ○○「……え~と小悪魔?」 小悪魔「こ、ここはどこなんですか?あなたは誰ですか?」 ○○(今イチャスレでやっているみんなの嫁が現実に出てくる現象だろう……ってマジですか!?) 小悪魔「あ~、あの人(八雲 紫)のせいだな。と、とりあえずあがって下さい」 小悪魔「は、はい お邪魔します」 てな感じであがってもらったのだが…… ○○「え~と小悪魔さんですよね?」 小悪魔「そ、そうですが……」 ○○「そうだ!聞きたいことがあるんですがいいですか?」 小悪魔「何でしょう?」 ○○「向こうのインターネットでこのスレは見れるんですか?」 小悪魔「あ、はい……まさか……だからここに呼ばれたのですか?」 ○○「うっ…………ごめんなさい。正直言ってあなたのことが好きです。結婚したいくらいです」 小悪魔「そ、そうですか……」 ○○「…………」 小悪魔「………… その答えはまだでいいですか?私はあなたのことをよく知りませんし……」 ○○「……そうですよね。その代わり帰れるようになるまで、ここにいてもらっていいですか?」 小悪魔「は、はい、よろしくお願いします。私もお手伝いできることがあったら言ってください」 こうして子悪魔との共同生活が始まったのである 一日目 ○○「あっそうだ、小悪魔じゃ呼びにくいからこあでいいかな?」 こあ「いいですよ~あとあなたの名前は何ていうんですか?」 ○○「○○って言うんだ。それからこあ?料理できる?」 こあ「あっはいできますよ~パチュリー様のところで練習しましたから」 ○○「へぇ、あの動かない大図書館がね~」 こあ「他にもいろいろあるんですよ~パチュリー様ったらね~」 ○○(ようやく地になってきたのかな?) 一週間後 ○○「あっイチャスレ更新されてる。何々……」 こあ「どうですか?」 ○○「ん~どうやら他のイチャスレ住人のところにも嫁と呼ばれる人たちが来ているらしい」 こあ「私だけじゃないんですね……もしかしてパチュリー様もこちらの世界に来ているのかな」 ○○「それは……わからないな。どちらかというと「そこまでよ!」って言って仕切る方の人だから」 こあ「そうですね。うふふパチュリー様はそういうお方ですもんね」 一ヵ月後 こあ「ただいまです~ あれ?○○さん?」 ○○「……おっ、こあお帰り~」 こあ「このご馳走は……どうしたんですか?」 ○○「いや~今日でこあがこっちに来てから一ヶ月だからお祝いをしようかな~なんて。ダメかな?」 こあ「○○さん嬉しいです!……ありがとうございます!」 ○○「さっ冷める前に食べよう!」 こあ「はいっ!」 夕食後 こあは台所で後片付けをしている ○○「……なぁこあ?」 こあ「何でしょう○○さん」 ○○「こあは寂しくないか?こっちの世界に来て他に知ってる人もいないし」 こあ「……寂しくないといったら嘘になりますね。でも今はですね……」 ○○「こあ?」 こあ「はっ!?な、なんでもないですよ!?」 ○○「ふふ、おかしなこあ」 こあ(まだ言えませんね。あなたがいるからなんて……) ○○「こあ危ない!!」 こあ「へっ?」 こあの手にあった食器が落ちているのに気づかなかったのだろうか 俺はその瞬間とっさにこあの手をとり抱き寄せた ガシャーーーーン ○○「こあ大丈夫か!?」 こあ「だ、だいじょうぶです。…………○○さん暖かいです…………」 ○○「こあ……」 こあ「わ、私本当は寂しいんです。パチュリー様や咲夜さんもいないし……たまに来る魔理沙さんも最近姿を見ることも出来ないですし……ううう」 ○○「こあ、こういうときは泣いていいんだよ」 こあ「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」 ○○「よしよし」 こあが一通り泣き終わった後 こあ「ありがとうございました○○さん……」 ○○「いやっいいって別に、あっ先に風呂入るけどいいかな?」 こあ「はい、私は後片付けの続きをしますんで」 お風呂 ○○「ふぅ……こあも寂しがっているようだし、早く向こうの世界に帰れるようにしてもらえないかな……あれ、何か目から汗が」 こあ「○○さんお背中流したいんですけどいいですか~」 ○○「はぁ!?ちょっこあ待って待っ」 こあ「えへへ~入ってきちゃいました~」 ○○「ちょっ、こあお酒臭い!もしかして……」 確か冷蔵庫の中にお酒が入っていたような…… こあ「うふふ~ほら○○さんお背中流したいんで湯船から出てきてくださいよ~」 ○○「そっ、それは!ダメだ!そんなことしたらパチェさんが「そこまでよ!」ってやってくるからダメだーーーー!」 こあ「ほらほらいいじゃないですか~」 ○○「うん、もうダメ……」 バタンキュー こあ「あっあれ○○さん?○○さん!?」 この後の記憶がない ○○「あ、あれ?俺確かお風呂で倒れて……それからえ~と……」 こあ「大丈夫ですか○○さん!」 ○○「こあか、俺は……」 こあ「大丈夫です。○○さんが倒れてしまったので急いで運んできたんですよ~」 ○○「……運んできた?」 こあ「あっ、そ、その、大丈夫です!裸は見てませんから!」 ○○「そ、それならいいけど……ちょっと服着るから部屋の外に出てもらえないかな?」 こあ「は、はい!」 キィー、バタン こあ(言えない……冷蔵庫開けたらなんか面白いものがあって変に触ってたら中のものが出てきて、それからそれがお酒ってわかって、酔った振りして○○さんと一緒にお風呂入ろうって考えたなんて言えない……)←缶の開け方を知りません ○○「こあもういいぞ~」 こあ「へっは、はい!」 ○○「あっこあもパジャマに着替えたんだな」 こあ「えっと○○さんにあ、謝らなくてはいけないことがあるんです!!」 ○○「ん、何こあ?」 こあ「実は…冷蔵庫開けたらなんか面白いものがあっ(ry」 ○○「……それならいいんだ。俺が冷蔵庫にお酒を入れっぱなしだったのが悪いんだし、でもお風呂に一緒に入ろうっていうのは正直驚いたかな」 こあ「○○さん……ごめんなさい」 ○○「いいっていいって、それより、その……一緒にお風呂入りたいときは言ってくれよな。そしたら何かと準備できるから」 こあ「はい……」 ○○「ん、そろそろ眠くなってきたな」 こあ「あの~今日は一緒に寝てもいいですか?」 ○○「!?」 こあ「あ、あのですね。変な意味じゃなくてその、添い寝というものを……」 ○○「ふふっわかったから、おいでこあ」 こあ「……やっぱり○○さんは暖かいです」 ○○「そ、そういうこあだって暖かいぞ」 こあ「うふふ、おやすみなさい○○さん」 ○○「ああ、おやすみこあ……」 翌日 こあ「う~~~~~ん。おはようございます○○さ……あれ?」 そこには○○さんの姿は無い こあ「○○さん?○○さん!?」 コンコン ○○「こあ?起きたか?」 こあ「あっ、おはようございます○○さん」 ○○「あー朝ごはん作ったから一緒に食べようぜ」 こあ「ふふふ。なんかこうしてると新婚の夫婦みたいですね。……はっ、ご、ごめんなさい○○さん!」 ○○(キョトン) こあ(そうだ、今言わなくちゃ、そうよ、今しかない!!) こあ「あ、あのですね、○○さん朝ごはんの前に大事なお話があります」 ○○「はっ、え、お、うん」 こあ「そのですね。その……い、今なら最初にあったときに質問に答えられると思うのです!わ、私もあなたのことが好きです! あ、あなたと結婚したいです!」 ○○(ポカン) こあ「そ、その……ダメですか?」 そのとき○○はニッコリと笑った ○○「うれしいよこあ。俺もあのときから気持ちは何一つ変わってない。俺もこあのこと愛している」 こあ「う、嬉しいです○○さん。その……ですね。愛してる証にキスしてほしいです……」 ○○「ん、わかった……」 チュッ 唇に触れる程度のキスをした 俺たちにはまだそのくらいでいいと思ったからだ こあ(~赤面中~)「う~その、そのですね……」 ○○「ほ、ほら、こあ朝ごはん冷めちゃうから食べよ!」 こあ「うふふ。○○さんも顔が赤いです~」 ○○「そ、そんなことはないぞ、ほ、ほら!」 そういって手を差し伸べてきた こあ「そうですね、朝ごはん食べましょう!」 そして私はその手を優しく握る これからもきっと楽しいに違いない そうこの人となら~きっと~ ~Fin~ うpろだ1044 ─────────────────────────────────────────────────────────── 紅魔館の図書館にて、今日は魔女達のお茶会が催されていた。 「なあ、お前達って何か怖いものあるか?」 「唐突ね、魔理沙」 「本当。いきなりどうしたの?」 「いや、ふと気になってさぁ。 人間なら何か一つくらい怖いものってあるもんだろ?」 「私達は人間じゃないのだけど」 「そうね、私は……やっぱり日光かしら」 「それはこの館の主の弱点じゃないの?」 「日焼けしたくないわ。それに本が傷んでしまうし」 「私は虫ね。蝶とか飛蝗みたいなのはいいけど、蜘蛛や百足なんかは駄目だわ」 「虫なんて魔法の材料にしこたま使うのにか?」 「生きてるのが駄目なのよ。あの動き方とかを見ると寒気がするわ」 「あー、そうだな。わたしは雷が嫌いだ」 「魔理沙にしては何か普通ね」 「あのゴロゴロとかいう音が駄目なの?」 「いや、実はこの前な。きのこ狩りの帰りに夕立に遭って、 急いで帰ろう箒で飛ばしてたらこう、ドーンと……な」 「そ、そうだ。小悪魔も何か怖いものってないか?」 「えっ? 私ですか?」 そうですね。怖い、というか……苦手な人なら」 「へえ、小悪魔に苦手な人がね。誰なの?」 「はい、実はその……○○さんです」 「そう言えば貴女。○○が来るたびどこかに姿消していたわね」 「ええ。変な話かとは思いますが、 ○○さんと面と向かうとどうしても湧き上がる 感情が抑えきれなくなってしまって。 なので毎回○○さんに会わないよう避けるようにしているんです。 あっ、もうこんな時間に。それでは私はこれで。 何か御用があれば私の部屋までお願いします」 小悪魔は小さく頭を下げると自室に向かって飛び立っていった。 それを見届けた所で、魔理沙がにやりと笑った。 (1時間後、魔理沙は○○を拉致ってきて、 おまけに簀巻きにしてから小悪魔の部屋の前まで連れてきた) 「さあさあ! とりあえずそこの部屋の中に入っておいてくれ」 「あっ、こら待て! ちゃんと説明し――」 そして簀巻きの○○を部屋に放り込み、何かを言い終える前に扉を閉めてしまう。 「魔理沙、貴女も悪趣味ね」 「そういうアリスだって何だかんだで楽しそうじゃないか。 小悪魔の主のパチェリーだって何も言わないしな」 「しっ! 2人とも。中の様子が聞こえないわ」 『えっ? ○、○○さん! 何でここに!?』 『ホント何ででしょうね。こっちが聞きたいくらいだよ』 『あ、いや! 駄目、駄目なんです!』 『いや、何が駄目なんだ?』 酷く慌てた様子の小悪魔と何が何やらといった感じの○○の声。 それを聞いた三人の魔女は一名を覗いて顔にはださないが満足げだ。 「さて、おふざけはこれくらいにしてそろそろ助けてやるか」 「そうね。あんまりいじめちゃ可哀想だし…… って、パチェリー。どうしたの?」 「おかしいわ。この扉、開かない」 確かに、押しても引いても開かない扉。 三人が怪訝に思った所で、中の声に変化が現れた。 『駄目なんです。○○さん、近づかないで下さい』 『は? いや、俺今簀巻きで動けないし。 てか近づいてきてるのは小悪魔のほうだろ?』 『そうですね、ごめんなさい○○さん。ああ、すぐ解いてあげますから』 『おっ、頼む。やけにきつく縛ってあって一人じゃ…… 待て、小悪魔。何でお前は自分の服の紐を解いていってるんだ?』 『……あの、苦手なものはやっぱりなくすべきですよね?』 『あ、ああ。まあそうだろう……いや待て! そう無理に克服しないでもいいぞ!!』 『○○さん、いただきます♪』 『アッーーーーーーーー!?』 三人の魔女がなす術無く、しかし立ち去る事もせず 部屋の前で待つこと小一時間。 断続的に響いていた謎の嬌声と悲鳴と激しい物音が止まり、 その扉がゆっくりと開いた。 そこにはやけに肌がつやつやしている小悪魔と、 扉の奥の方で顔を隠して啜り泣いている○○の姿があった。 顔を赤くしている三人の前で、小悪魔はにっこりと微笑んだ。 「実は私、一杯の熱い紅茶も苦手なんです」 うpろだ1297 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――それじゃあ、また。 そう言って彼は帰っていきました。気のせいか図書館の温度が少しだけ下がったような気がします。 ぐるりと辺りを見渡せば、改めてここの広さが実感できます。 今まではそんなこと感じたこともなかったのに。 最初は彼がいることに違和感を感じていたくせに、今では彼がいないことに違和感を感じるなんて。 返すつもりで手に持っていた、さっきまで彼が読んでいた本を胸にそっと抱く。 彼の残滓を少しでも感じていたいと思って。 彼こと○○さんとの出会いに特筆すべきことはありませんでした。 命を救われたとか、殺されかかったとか。そんなことは一切無い、ごくごくありふれた出会いでした。 ……まああの黒白もとい魔理沙が連れて来たことから最初はすわ敵襲かとも思いましたがそんなこともなく。 むしろ魔理沙とは真逆というか、なんというか。ともかくまともな常識のある人で、驚いたのは内緒です。 案内をパチュリー様に任されたので、その道すがら自己紹介がてら話を聞いてみればどうも図書館ということで ここに連れて来られたらしい。 いえ、その、確かにここは図書館という名目になってますけど……。 それに8割くらい魔導書なのに。 そのことを告げると○○さんは「ま、まあ残り2割があるし。これだけ大きいなら2割だってきっとかなりの量だと思うから」 と苦笑いしながら言っていました。 ……その2割のうち1割は生きてる本とか呪いの本とかなんですが、黙っておきました。 そんなこんなで彼が読むような本のある場所の行き方と立ち入り禁止エリアの場所を教えてからパチュリー様のところに戻り、 利用するにあたっての注意事項などをパチュリー様から伝えられてとりあえずその日は終わりました。 ちなみに彼らを送ったあとに図書館へ戻ってみると案の定、魔導書の一部がごっそり抜かれていました。 きょ、今日はてっきり○○さんをここに紹介しにきただけだと思ってたのにー! それから。 ○○さんは割と頻繁にここを訪れるようになりました。 もちろん毎日というわけではありませんでしたが暇を見つけては来ている様でした。 パチュリー様がお嬢様に事前に許可を取っていたので侵入者と間違われることもなく。 一度だけ門のところで誤射られたそうですが、その日メイド長に門番はきっちりナイフでハリネズミにされたらしい。 彼は図書館では奥の方の席で、いつも黙々と読書をしていました。 たまに本を返す場所がわからなくなって私に聞きに来ることはありましたが、ほとんどは一人静かに文字を目で追っていました。 静かに時間を刻む針の音だけが耳に届く空間の中に、彼は自然と溶け込んでいて。 個性的なメンバーが多い幻想郷で、彼のような普通さは逆に印象的で。 いつの日からか、私は彼を目で追うようになっていました。 そして時間があれば私は彼と話をするようになっていました。 最初のころは読書の邪魔をしたら悪いかなあと思っていたのですが、いざ話しかけてみれば嫌な顔をすることもなく。 むしろ私との会話を楽しんでくれていた、と思います。 魔理沙と知り合いということもあって割りとノリも良く、けれども私に合わせた話し方をしてくれていました。 なんというか、話すのが上手といいうか。空気が読めるというか。 相手にペースをあわせている、そんな感じでした。 たまにマシンガントークになりかけることもありましたがその度に彼自身が気づいて自制していました。 私もパチュリー様もまったく会話がないわけではないですが、やはり数そのものは多くありません。 だからでしょうか。 パチュリー様にお茶をお出しするときに、彼にも出すのですが、その時にする雑談が私はいつからか楽しみになっていました。 そして、そんなある日のこと。 ○○さんとパチュリー様と、私にとってのきっかけになる日のこと。 何てことない彼の、何てことのないありふれた仕草に、私が気付かされ……パチュリー様も気付かされた日のこと。 永きを生きる私達が置き忘れてきたものが、そこにはありました。 人間が生来もっている輝き。だけど人間にはおそらく永遠に気付けない輝き。 それを前にして、私の心臓はトクンと鼓動を刻みます。 トクン、トクンと。いつもとは違うリズムで刻まれる鼓動。 体中が熱を持ち、顔がなんだかとても熱くて。だけどそれが嫌ではなくて。 ――ああ、私は彼に恋してるんだなと。 唐突に、そう気付きました。 私が誰かに恋をするなんて思ってもいませんでした。 だからこれは初めての感覚。なのにどうしてかこれは“そう”なんだという確信。 暖かくて、優しくて、どこかくすぐったい不思議な感覚。 けどいつまでも初めての感覚に浸っている場合ではありません。 さっきから私は俯いたままです。 きっと顔を上げて彼の顔を直視したら顔が赤くなってしまいそうでしたがこのままでいるわけにはいきません。 彼は「ありがとう」といってくれたのですから「どういたしまして」くらいは返さなくては……! 湧き上がってくるモノを抑えながらどうにかして私は顔をあげて……私は、後悔しました。 顔を上げた先にあったのは黙り込んでしまった私達に困惑する○○さんの姿と……顔を上気させて彼を見つめる、パチュリー様の姿。 また、私の心臓は鼓動を刻みました。 だけど今度のはさっきのとはまったく別のものでした。 痛い。 痛いんです。 締め付けられるように痛むのです。 心臓ではなく心が。 見えない茨が巻きついたかのように、痛いんです。 ……その後のことは覚えていません。 気が付いたら与えられた自室で、わけもわからぬまま私は泣いていました。 理由もわからぬまま何かに押しつぶされるのを耐えるように私は泣いていました。 ……いえ、それはきっと嘘ですね。 本当はこの時点で涙の理由に気付いていたんです。 でも、私はわからないフリをしたんです。 そうして今。 私は彼の飛行の練習に付き合っています。 提案したのはパチュリー様。 ○○さんは空を飛べないので紅魔館まで来るには魔理沙に連れて来てもらうか、霊夢の護符の力でなんとかここまで来るという方法でした。 だけど魔理沙の場合は必ず対価を要求されますし、魔理沙が来る=魔導書もってかれる=もってかないでー、ですし。 霊夢の護符だって力は確かですけど万能ではありません。 彼自身が飛べるようになれば魔理沙や霊夢の手を借りる必要はなくなりますし、何かと便利です。 それを聞いた時○○さんは「いきなり難易度が跳ね上がったような……」とぼやいていましたが、満更でも無いのは表情から判りました。 彼自身も空を飛んでみたいなあと思っていたようです。 ……今日も今日とてまた墜落していますが。 でもね、○○さん。 知っていますか? そんなの全部建前なんですよ? 本当はあなたと霊夢が一緒にいるところを想像したくないだけなんです。 本当はあなたと魔理沙が楽しそうに話しているところ見たくないだけなんです。 私だけを見てほしい。 そんな、ひどく遠まわしな、パチュリー様らしいあなたへの精一杯の愛情表現なんですよ? そしてそれは私も同じなんです。 私はパチュリー様が好きです。 パチュリー様には幸せになってほしいと心から思っています。 だけど、私はあなたが好きです。 私だけを見てほしい。 私だけにあなたの言葉を聞かせてほしい。 ……だけど、私はパチュリー様が好きで、あなたも好きなんです。 感情のベクトルこそ違えど、そこに差なんて無いんです。 私を愛して欲しい、だけど私を愛さないで下さい。 パチュリー様の気持ちに気付いてあげて下さい、だけどパチュリー様の気持ちに気付かないで下さい。 日を追うごとに増えていく矛盾は、茨の蔦となって私の心を締め付けていく。 血を流し続ける私の心は、やがて真紅の花を咲かせるのでしょう。 それでも想う事を止めることはできなくて。 机の引き出しの中には、あの日渡しそびれた不恰好に包装されたチョコレート。 今もなお、私を苛むこの甘い痛みはきっと………… ――あなたがかけた、恋の魔法。 うpろだ1345 ───────────────────────────────────────────────────────────
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小悪魔 パチュリーのマネージャー 紅魔館大図書館の司書 特技・技紹介 なし 説明 パチュリーをはじめとした紅魔館全員のマネージャー的存在。 非常に礼儀正しい性格で、健康管理から必殺技の実験台まで甲斐甲斐しくこなす。 選手として出場する際は、ボム1個程度の活躍が期待できる。
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■天使悪魔限定イベント【LV1・校内で…】 【LV2・電話】 【LV3・バイトのお迎え】 【LV4・部屋デート追加台詞】 【LV1~・修学旅行関連】 ■天使悪魔限定台詞 LV4で変化確認したものデートのお誘い台詞&場所を聞く前に断る電話 校内 デートすっぽかし電話 バレンタイン友好・好き(同じ台詞を確認) 普通 バレンタインチョコへの反応好き以上 友好 普通 相手の誕生日好き以上 友好 普通 誕生日プレゼントへの反応 LV2で確認できたもの下校に誘われた時の選択肢と、その後の反応好き以上 普通・友好 下校・呼び方NG好き以上 友好以下 コメント投稿欄 PSP版で新台詞を確認した状況をリストにしています。 検証&情報募集してますので、補足・訂正・追加情報などありましたら↓のコメント欄にお寄せ下さい。 ■天使悪魔限定イベント 【LV1・校内で…】 好感度普通~好き・天使LV1・校内でコメントしにくるイベント ○○「ん?あそこにいるのは……新名くん!」 新名「○○ちゃん。はー……ちょうどいいや、休憩休憩っと。」 ○○「すごいプリントの量だね……頼まれ物?」 新名「ヒムロッチにいろいろばれちゃってさー……何だろ、あの嗅覚……」 ○○「ふふ!どこまで持って行くの?」 新名「視聴覚室……って!なに持とうとしてんの?」 ○○「うん。わたしも行こうかなって。ほら、がんばろう?」 新名「う、うん……てかマジで?」 : 新名「ミッションコンプリート!あんがとね!」 ○○「ふふ、どういたしまして!」 新名「あー、時間があればお礼にジュースご馳走するんだけどな……」 ○○「大したことしてないのにそこまでしてもらったらかえって悪いよ。」 新名「!!!」 新名「アンタマジ天使だわ……じゃあお礼はハグにしときますね!」 ○○「きゃあ!」 【LV2・電話】 友好以上・夜に電話がかかってくる ○○「ん? あっ、新名くんだ。」 ○○「もしもし。」 新名「よ。今ヘーキ?」 ○○「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」 新名「んー。予習してたらさ、アンタのこと思い出したんだよね、何か急に。それで。」 ○○「わたし、新名くんの勉強の邪魔しちゃったんだ?」 新名「そうなんですよ。だから責任取ってオレとお話して?」 ○○「ふふ! じゃあ飲み物取って来ようかな。」 新名「お、本腰入れちゃう? じゃあオレも取って来よっと♡」 : ○○「なるほど……そういう勉強の仕方もいいかも。」 新名「ん、試してみるといいよ。合ってれば儲けモンだぜ?」 ○○「だね! ……あっ! ね、時間大丈夫?」 新名「……あ。すげー話してんね、オレら。」 新名「うん、オレはまだヘーキだけど、アンタもう寝る時間?」 ○○「わたしは……できれば、もう少しお話ししたいな。」 新名「うわ、なにそのねだり方。切れねぇし。」 ○○「あっ、でも新名くんが大丈夫そうならでいいよ?」 新名「ハハッ、大丈夫に決まってんじゃん。寝かせねーよ、今夜は♡」 ○○(やった♡ 長くて楽しい夜になりそう!) 【LV3・バイトのお迎え】 好き以上・LV3・バイト後 ○○「お疲れさまでしたー!さてと……」 新名「あ、いた。」 ○○「えっ?あ、新名くん!どうしたの?」 新名「アンタの家までのナイトしに来たの。帰り道、危ねぇじゃん?」 ○○「わざわざ戻ってきてくれたの?ゴメ――」 新名「はいストップ。わざわざじゃないです。戻ってきたくて戻ってきたの。」 ○○「ありがとう。実はね、ちょっと心細かったんだ。うれしい。」 新名「……そっ。ならよかった。んじゃ、行こっか。」 ○○「うん。」 : 新名「到着っと。……ん?なに、静かになっちゃって。」 ○○「……うん。あっと言う間だったなと思って。」 新名「まあ、最短ルートで来たし?」 ○○「……じゃあ、今度は遠回りがいい……かも。」 新名「え?」 ○○「ダメ?」 新名「ダ……ダメじゃねぇし!」 新名「またアンタのナイトしに行くよ。……帰りは遠回りな?」 ○○「うん!」 【LV4・部屋デート追加台詞】 ときめきで確認・LV4・初めての部屋デートで追加台詞 新名「さてと。何か新譜とか聴く?」 ○○「ううん。」 新名「ん?あ、他にしたい事があるとか?」 ○○「うん。新名くんとのんびり話したいかな。……みたいな。」 新名「……みたいな。」 ○○「ふふ。だから、音楽はいらないなって。」 新名「…………」 新名「……あーもー、マジたまんねぇわこのコ……どうしてくれよう……」 ○○「???」 : 新名「ハハ!」 新名「……っと。もうこんな時間かよ……」 ○○「うん……ね、また遊びに来てもいい?」 新名「モチ。てか、オレからも誘うし。」 ○○「ホント?絶対だよ?」 新名「…………」 新名「……そういう顔と仕草、マジ帰したくなくなるからヤメテ……」 ○○(ふふ、困らせちゃった♡) 【LV1~・修学旅行関連】 好き以上・天使悪魔LV1以上・バンビ修学旅行後(他学年)or旅行中(同級生) ○○(えぇと、新名くんは……いた!) ○○「新名くん!」 新名「あっれ。どうしたのわざわざ。こっちの教室まで来て。」 ○○「うん、あのね?……その前に、ちょっと恥ずかしいから移動していい?」 新名「あっ、ああ! そうだな、そうしよ!」 : 新名「で、どしたの?」 新名「あ、てかお帰り。どうだった? 修学旅行。」 ○○「ふふ、ただいま。楽しかったよ? それでね? これ……」 新名「……え。お土産? オレに?」 ○○「うん。気に入ってもらえるといいな。」 新名「アンタからのお土産が気に入らないとか有り得ねぇし!」 ○○「ありがとう。一生懸命選んだから、そんな風に言われるとすごくうれしい。」 新名「……あーもー。」 新名「なんなのこのカワイイ人……超ハグしてぇし……!」 ○○「ん?」 新名「いいえ何でも! ガマンガマン……」 ○○(???) ■天使悪魔限定台詞 ※もっと低いレベルで変化したり、レベルによって台詞変化するものもあるかもしれません。情報求む。 LV4で変化確認したもの デートのお誘い台詞&場所を聞く前に断る ※好き以上のみ、下記以外は通常と同じ 電話 ○○(あれ? 誰からかな?) ○○「もしもし?」 新名「オレ、新名。今電話ダイジョブ?」 ○○「うん、平気。どうしたの?」 新名「うん。あのさ、今度の日曜ヒマ?」 「ちょっと用事があるの……」 新名「そっかー……ハァ。」 ○○「ごめんね?何か大事なこと、あった?」 新名「あー、ヘーキヘーキ!これっきりってワケじゃねぇし!……うん。じゃ、またね。」 ○○(落ち込んじゃった……なんだったのかな?) 校内 新名「○○ちゃん、みっけ。」 ○○「あ、新名くん。なあに?」 新名「今度の日曜、空いてる?」 デートすっぽかし電話 ※好感度普通~ときめきで確認、好感度による変化はたぶんナシ ○○「あれ?携帯に留守録入ってる……なんだろ?」 新名「オレ。」 ○○「あ、新名くんだ……」 新名「今日、約束してたよな?忘れちゃった?それとも何かあった?」 新名「心配した、マジで。てか、今もしてる。だからさ、ちゃんと連絡して? お願い。じゃね。」 ○○「あっ……デートの約束!新名くん、ごめんね……」 バレンタイン 友好・好き(同じ台詞を確認) ○○「新名くん!」 新名「○○ちゃん。」 ○○「いい笑顔ですねぇ。期待してイイってこと?」 新名「ふふ、どうでしょう?はい、これ。バレンタインのチョコレート。」 普通 バレンタインチョコへの反応 ※好感度別の反応あり※好きと友好でそれぞれ確認 ※最高評価チョコ・大失敗チョコ・義理チョコのみ限定台詞・他は通常通り 好き以上 最高評価チョコ 新名「これ……手作りだよな?」 ○○「うん。どうかな?」 新名「最ッ……高。アンタ、マジ最高。スゲェオレ好みだし、これ。」 ○○「よかった!でも、そんなに褒められるとちょっと恥ずかしいよ……」 新名「……そんな顔で言われるとハグどころか攫いたくなっちゃうからアンタこそヤメテ。」 ○○「ふふ、はーい。」 ○○(よかった、すごく喜んでもらえたみたい♡) 大失敗チョコ 新名「手作り!ヤッタ♡ もう返さねぇし!」 ○○「あのね、新名くん。その……」 新名「アンタがオレのために一生懸命とか、それだけで昇天しちゃいそ、オレ。」 ○○「あのね!……ごめんね?上手にできてなくて……」 新名「はいストーップ。いいの、そういうのは。オレ、本当に嬉しいんだからさ。マジあんがと。」 ○○(新名くん、優しい……もっと上手に作りたかったな) 義理チョコ 新名「……あのさ?」 ○○「なあに?」 新名「う……なんでもない。」 ○○「本当に?」 新名「本当に。アンタの笑顔もセットだもんな。うん、あんがと。」 ○○(うーん、このチョコじゃダメだったのかな……) 友好 最高評価チョコ 新名「スッゲ、手作りじゃん!」 ○○「へへ、張り切っちゃった♡」 新名「ヤッベ、マジ嬉しいんだけど。てかアンタすごくね?」 ○○「ん?」 新名「チョコ作りスキル。超オレ好みにできてるし。マジあんがと♡」 ○○(やったぁ! すごく喜んでもらえたみたい♡) 大失敗チョコ 新名「おお、手作り!」 ○○「うん。」 新名「すごくがんばってんね。あ、なぁ、切り傷とか作ってねぇよな?」 ○○「う、うん。あの……ゴメンね? やっぱりこのチョコーー」 新名「いいんだって。手作りなんだからさ、個性あるのは当たり前。な? あんがと♡」 ○○(新名くん、優しい……上手に作りたかったな……) 義理チョコ 新名「あ、これ。ウマそうだなーって思ってた。」 ○○「うん、わたしもそう思って。」 新名「うんうん。で、メインは?」 ○○「えっ? あの……ごめんね。足りなかった?」 新名「ハハッ、そっか。ううん、なんでもねぇよ? あんがとね♡」 ○○(喜んでもらえたよね?) 普通 相手の誕生日 (好感度苦手~ときめきのキャラでそれぞれ確認) (好感度による変化があるかは捜索中) 好き以上 友好 普通 ○○「いた。新名くん!」 新名「よっす、○○さん」 ○○「誕生日おめでとう♡ あの、これ……プレゼント。」 新名「マジで? 超嬉しいんだけど! 今開けちゃうぜ?」 誕生日プレゼントへの反応 ※反応は◎と×のプレゼントのみ変化 (好感度苦手~ときめきのキャラでそれぞれ確認・好感度による変化→たぶんナシ) ◎ 新名「スゲェ。これ超欲しかったヤツ!」 ○○「ホント? よかった♡」 新名「何かもう……アンタ、やっぱ最高だわ。あんがと!」 ○○(やったぁ!すごく喜んでもらえたみたい) × 新名「!」 ○○「あの……どうかした?」 新名「よくこういうの見っけられたねぇ……うん、面白いわ。ハハ!」 ○○(うう……ダメだったみたい……) LV2で確認できたもの 下校に誘われた時の選択肢と、その後の反応 ※お誘い台詞は通常通り、△&こちらからの誘いは変更なし (好感度普通~ときめきのキャラでそれぞれ確認) (好感度別の反応あり→ LV4友好→LV4好きで反応の変化確認。※選択肢は同じ) 好き以上 「うん、一緒に帰ろ♡」 新名「…………」 ○○「どうしたの?」 新名「カワイイなーと思って。」 新名「あっ、いや、なんでも?帰ろ!」 「お茶していかない?」 新名「行く行く!」 ○○「やった♡」 新名「な、急ぎじゃないならさ、ゆっくりしてこうぜ? いっぱい話したい気分。」 ○○「ふふ、いいよ?」 「ごめんね、用事があるの……」 新名「用事……それってさ、オト……」 新名「……っと、ゴメン! 今のナシ!」 新名「……ハァ。見えない用事にジェラっちゃうとか、ヤダヤダ……じゃあね……」 ○○(悪いことしちゃったかな?) 普通・友好 「うん、一緒に帰ろ♡」 新名「やった♡ よし、行こうぜ!」 ○○「うん!」 「お茶していかない?」 新名「いいですねぇ。お茶、しちゃいますか。」 ○○「やった♡」 「ごめんね、用事があるの……」 新名「ちぇー、残念。」 新名「んじゃ、別日にリトライさせていただきます。まったね~。」 ○○(せっかく誘ってくれたのに悪いことしちゃった……) 下校・呼び方NG (好感度友好~ときめきのキャラでそれぞれ確認) (好感度別の反応あり)※好きと友好でそれぞれ確認 好き以上 ○○「××。どうしたの?」 新名「……あ〜……」 ○○「……ダメ、かな? ××って呼ぶの。」 新名「……うん、ダメ。アンタだからダメ。ワガママでゴメンな?」 ○○(この呼び方はイヤみたい……) 友好以下 新名「ちょ……それ。」 ○○「この呼び方……ダメ?」 新名「カワいく言ってもダーメ。じゃね!」 ○○(行っちゃった……呼び方、失敗しちゃった) このページの最終更新:2024/01/20 00 27 48 コメント投稿欄 枠内に書き込み、投稿ボタンを押すとここに表示されます。 【好感度・天使悪魔LV・時期・その他発生状況】を頭につけてもらえると助かります。 コメント wikiトップ|▲ページ TOP
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小悪魔 2/2/0 1:0 × ○ ×○ × ○× × × 悪魔 アタッカー (自動)このユニットがデリートされた場合、自分デッキから悪魔を持つユニット1枚を捨て札に置く事ができる。
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小悪魔8 12スレ目 282、304、340、452 始まる前に 括弧無しは小悪魔の心中 丸括弧は心中または小言 【】は地の文 まぁそんな感じで 私は小悪魔。紅魔館の図書館でパチュリー様に仕えています。 パチュリー様ったらいっつもいっつも図書館に居て‥‥‥。たまにはお外に出れば良いのに。 小悪魔「パチュリー様!紅茶持ってきましたよ。」 パチェ「ん、ありがと。ここに置いといて。」 小悪魔「パチュリー様ぁ。たまにはお外にお出かけにならないのですか?」 パチェ「出る必要が無いわ。」 小悪魔「毎日図書館に居たら体に悪いですよ。」 パチェ「あなたは私が不健康に見えるの?‥‥‥ごほごほ。」 小悪魔「見えます。」 パチュリー様の行動は「紅茶、読書、魔道書の執筆、居眠り、トイレ」くらい。たまにお嬢様や咲夜様と食事を取る程度。取ると言ってもパチュリー様は食事を取らなくてもいいので二人に合わせて軽く口に運ぶ程度。 私がパチュリー様にとやかく言う事もできないけど、貧血や喘息が治ればパチュリー様は誰にも負けない魔女になれるに違いないわ。 小悪魔「私はパチュリー様の事を思って言ってるだけです。」 パチェ「‥‥‥。そうね、たまには出てみようかしら。」 小悪魔「!」 パチェ「でも私はここに残るから代わりにこあ、あなたが行ってきて。」 小悪魔「ちょ、それじゃ意味無いじゃないですか!」 パチェ「一回で分かりなさいよ。あなたに休みを与えるわ。」 小悪魔「え、パチュリー様?」 パチェ「あなたたまに外に抜け出してるみたいだけど、いつ見つかるかで心が休まってないでしょ?あなたが居ない間は紅魔館のメイドでも置いとくからしっかり遊んできなさいよ。」 小悪魔「あ、ありがとうございます!そ、それであの~、どのくらい‥‥。」 パチェ「いつまででもいいわ。ただし、必ず戻ってきなさい。図書館のメイドを任せられるのはあなたしか居ないんだから。」 パチュリー様からの意外な言葉に驚いたけど、任せられるのは私しか居ないだなんてそんなに私の事を思っててくれたなんて。 小悪魔「は、はい!必ず戻ってきます。ですから、待っててください!」 パチェ「‥‥‥‥‥死亡フラグ‥‥。」 小悪魔「うっ‥‥だ、大丈夫ですよ。パチュリー様を残して先に死ぬなんてそんなことできません!」 パチェ「じゃあ私が先に死ぬのね。」 小悪魔「パ、パチュリー様ぁ~。」 パチェ「もう、分かったから、さっさと行きなさい。」 小悪魔「あ、は…はい!でわ、行ってきます!」 もう、パチュリー様酷いんだからぁ。でもお茶目なパチュリー様が見れてちょっと得しちゃったかも。 【図書館の通用窓から紅魔館内に移動し、門に向かう小悪魔。門には門番の美鈴が昼寝をしていた。】 小悪魔「あ、美鈴様、お疲れさまです。」 美鈴「う…ん?あ!ひえぇぇ!す、すいません~、サボってませんよぉ~。ってあれ、こあ?ど、どうしたの?」 小悪魔「パチュリー様からお休みを頂いたんです。こるから出掛けようと。」 美鈴「パチュリー様から?5分?10分?」 小悪魔「いえそれが、必ず戻ってくるという条件で無期限なんですが‥‥。」 美鈴「な、なによそれ!私なんか真面目に仕事してるのに休みなんてないのに~。」 小悪魔(今、居眠りしてませんでした?) 美鈴「ん?今何か言った?」 小悪魔「な、何も言ってませんよ!」 美鈴「ま、いっか。気を付けていってらっしゃい。パチュリー様こあの事結構信頼してるみたいだから必ず戻ってくるのよ。」 小悪魔「もちろんですよ。美鈴様もお体にお気を付け頑張ってください!」 【紅魔館を離れどこに向かうか分からない小悪魔を見ながら仕事に戻る美鈴】 美鈴「はぁ、私もこあみたいな部下がいれば楽しく仕事できそうなんだけどなぁ。さてと、もう一眠りするかな。‥‥‥‥すやすや‥‥。」 魔理沙「お!門番の奴またサボってやがるぜ。どこぞのサボタージュより使えねえな。」 霊夢「まあ、居ても居なくても変わらないからいいんじゃない?とりあえずお邪魔するわね。」 【ところ変わって小悪魔。誰からも咎められる心配もなく大空を自由に飛び回ってた。】 小悪魔「うわ~~、気持ち良いわぁ。パチュリー様もくれば良かったのに。」 【しかしあまりにもはしゃぎすきたせいかすぐに疲れてきた。】 小悪魔「はぁ、私も運動不足かしら。ちょっとあそこの湖で休もうっと。」 こんな森の中にも湖があったのね。チルノちゃんがいつもいる湖より大分小さいけど新しい発見ね! 【湖の周囲は3~400mくらい、湖と言うよりは池と言った感じである。】 はぁ、外ってこんなに気持ち良かったっけ。地面に寝そべっても何にもぶつからないなんて。このまま転がって湖一周しちゃおうかしら。 【ごろごろと転がりながら池の周りを廻り始める小悪魔。はた目から見たら精神異常者じゃないかと思われるくらいの勢いで転がっている。】 小悪魔「今の私は誰にも止められないのよぉ!!」 【転がっている途中、ぐるぐる廻る視界の中に青い物体が見えた。】 小悪魔「え!だ、誰?」 うっそ~。こんな姿誰かに見られたらもう私ごろごろできないじゃない! 【転がるのをやめてぐるぐる廻る視界のなか青い物体を集中して見つめる。青い物体の正体、それはチルノだった。】 チルノ「あらあらこあちゃん、何してるの?楽しそうね。」 小悪魔「チ、チルノちゃん?」 まさかのチルノちゃんの登場に驚いて立ち上がった私。だけど勢い良く転がってた所為かクラクラするわ。 チルノ「あ、こあちゃん!危ない!」 どっぼ~~ん!!! つ、冷たい!まさか落ちちゃった?湖に?は、早く、早く出ないと!! 【平行感覚を失ったうえに突然の池ポチャ。上も下も分からずに水中でもがく小悪魔。チルノもこれは危ない!と直感したが水中で暴れる小悪魔を安全に池から出せるとは思えないとそこだけは冷静に考えていた。】 い、息が‥‥‥く、苦しい‥‥よぉ‥‥‥‥‥。 ‥‥た‥‥た‥‥す‥け‥‥‥‥て‥‥‥‥‥‥‥。 ・ ・ ・ ・ ・ 小悪魔「はう!!!だ、誰か!誰か助けて!!チルノちゃん!!!‥‥‥あ、あれ?」 ここは?‥‥布団の中? ここは?‥‥チルノちゃんの家? チルノ「あ、起きた!大丈夫?こあちゃん。」 小悪魔「あ、チ、チルノちゃん?私は‥‥。」 チルノ「もう、焦ったわよ。急に池に落ちちゃうんだから。」 小悪魔「チルノちゃんが助けてくれたの?ありがとう。」 チルノ「あたしだけじゃないわよ。」 〇〇「あっ!こあちゃん、起きた?よかったぁ。」 小悪魔「ひゃ!〇〇さん!」 チルノ「近くにいたから手伝ってもらったのよ。いくらあたいが最強だっつってもあんなに転がってる奴は手に余るわ。」 小悪魔「ちょ!チルノちゃん!」 〇〇「え?誰が転がってる?」 チルノ「えっとねぇ、こあちゃんが」 小悪魔「わーーわーーー!!私もう元気よ!!ほらこんなに元気!!‥‥あ、あれれ?」 【チルノの言葉を遮って元気アピールをしながら立ち上がったがまだ気分が悪く立ちくらみを起こしてしまった。そしてそのまま〇〇に向かって倒れこむ。】 〇〇「おっと!まだ気分が優れないんじゃないか?もう少し寝てなよ。」 小悪魔「ひ!あ、ご…ごめんなさい!そ、そのこれは、その、えと‥‥。」 〇〇「俺は大丈夫だから落ち着いて。気分が良くなるまでここで寝てると良いよ。ここは俺んちだから。」 へ?この家は〇〇さんの家?この布団は〇〇さんの布団?これは‥‥‥‥‥。 【布団に倒れるように眠る小悪魔。それを見て〇〇は…。】 〇〇「久しぶりに外に出て疲れちゃったんだろうな。」 チルノ「疲れて寝たというよりは気絶してんじゃないの?」 〇〇「え?そうかなぁ。」 チルノ「とりあえず、あたしは帰るわ。こあちゃんが起きたらあたしの家に来るように言っといて。」 〇〇「お、おう。分かった。」 チルノ「それじゃ、こあちゃん、またね。いい夢見なさいよ、ふふふ。」 【不適な笑みを浮かべ〇〇の家を後にするチルノ。】 ──────────── 小悪魔「ん、ん~‥‥。」 〇〇「ん、こあちゃん、起きた?」 【小悪魔の声に気付きこたつから体を起こす〇〇。】 小悪魔「んあ、〇〇さん‥‥。ここ、〇〇さんの家?」 〇〇「そうだよ、ゆっくりしていっていいよ。」 はぁ、格好つかないなぁ。せっかく〇〇さんの家に居るのに変な所見られちゃったんだろうなぁ。 あれ?外に干してあるあの服、〇〇さんのかなぁ。でもあんな服、〇〇さんに似合わなそうだけど‥‥。私の服に良く似て‥‥‥。ん?私の服に‥‥私の…私の服!? 小悪魔「あ!あれ!私の服!!?」 〇〇「うん、びちょびちょだったから洗濯して干してるんだよ。」 小悪魔「え、じゃあ今私が着てるのは?」 〇〇「それは俺の浴衣、やっぱりちょっと大きかったかなぁ。」 ちょ、服がびちょびちょって事は下着は‥‥‥‥濡れてない。ってこれは私のじゃないわ。まさか〇〇さん、こんな趣味があったのかしら。 〇〇「あ、その…、下着はチルノが大ちゃんから借りてきたって。それでこあちゃんのはチルノが持って帰ったよ。チルノが『女の子の下着は男に見せるもんじゃない!』って」 小悪魔「で、でも、下着も着替えてあるって事は‥‥‥。」 〇〇「だ、大丈夫だよ!着替えはチルノ一人でやったから俺はそんなに‥‥じゃなくて、全然見てないよ!」 〇〇さんに見られちゃった?うぅ~恥ずかしいよぉ‥‥。 〇〇「そ、そういえばチルノが起きたら家に来てって言ってたよ。下着の事じゃないかな?」 チルノちゃんに一番見られてるからなぁ、行ったら何言われることやら。でも助けてくれた事もあるし下着の事もあるし、行かなきゃ。 【胸元に手をやる小悪魔。彼女は不安になると無意識の内にペンダントを触る癖がある。】 小悪魔「大丈夫かなぁ。‥‥‥あれ、ペンダントは?〇〇さん、私のペンダント知らない?」 〇〇「え?知らないけど…。」 小悪魔「え!うそ!そ、そんな、ペンダント、私のペンダント!どこ?どこなの?」 はっ!まさか湖に落ちたときに落としちゃったの?探しに行かなくちゃ! 小悪魔「〇〇さんありがとう、私、ペンダント探しに行かなくちゃ。」 〇〇「え、あ、ちょっとこあちゃん!」 【浴衣を脱ぎ捨て下着姿のまま庭まで走り干してある自分の服を着る。もう乾いていた。ということは大分時間が経っていたのだろうけど、今の小悪魔にはそんなこと考えてる余裕が無かった。】 〇〇「ちょ、ちょっとそんな格好で!」 〇〇さんに確実に見られちゃった!上下真っ黒ってこれ大ちゃんのよね?あの娘意外と‥‥ってそんな事考えてる場合じゃないわ! 小悪魔「〇〇さんありがとう、それじゃ、もう行くね。」 〇〇「待って!ペンダントは‥‥‥行っちゃった…。」 きっとさっきの湖にあるはずよ。まずはその湖を探さないと。 【池を探すために高くまで飛び上がったがさっきの池は意外にも〇〇の家のすぐ近くにあった。】 あれね、こんなに高く飛ぶ必要なかったわ。 【池に降り立って早速池の中を覗き込む。水は非常に綺麗で透明度も高い、しかしそれでも底が見えないほど深かった。】 ここに落としてたら見つかりそうもないわ。あとは転がってる時に落としたとしか‥‥。 【池の周囲を周りペンダントを探すが見つからない。まさか池の中にと思った瞬間に涙が溢れてきた。】 小悪魔「私の…ペンダント‥‥、〇〇さんがくれた…ペンダント…、〇〇さんが‥‥‥うっ、うぅっ、うえ~~~ん!ペンダントないよぉ!え~~ん、え~~~~ん!」 〇〇「あ、いた!ってどうしたの!?」 小悪魔「えぇ~~ん、〇〇さんに…〇〇さんにもらった‥‥ひぐっ…ペンダント、なくしちゃったのぉ‥‥うえぇ~~~ん!」 【〇〇に抱きついて泣き叫ぶ小悪魔。その頭をやさしく撫でる〇〇。】 小悪魔「え~~ぇん、ごめんなさい!‥‥私、うぐっ‥‥私、せっかく〇〇さんが‥‥ぅえぇ~ん。」 〇〇「そ、その、ごめん!ペンダント‥‥‥ここにあるんだ…。」 小悪魔「えぇ~ん‥‥ひぐっ…うぐっ‥‥え、わ、私の‥‥‥ペンダント?‥‥ひっく…。」 〇〇「そう、チルノちゃんが『そのペンダント隠しておけば面白いものが見れる』って‥‥‥、でもまさかこんなことになるとは…ごめん!」 小悪魔「私の…うぅ、…〇〇さんからもらったペンダント‥‥あったのね‥‥。よ、よかったぁ…うっく。」 〇〇「ごめん、本当にごめん!」 小悪魔「見つかったんだからいいですよ。‥‥‥‥あ!私の方こそごめんなさい!…抱きついちゃったりして‥‥。」 〇〇「え、あ…あぁ…いいよ、気にしないで。」 小悪魔「その、えっと‥‥あ、そうだ!チルノちゃんが呼んでたんだよね。私行かなくちゃ。」 【振り返ってチルノの家に向かおうとする小悪魔。その小悪魔の手を引き、引き止める〇〇。】 小悪魔「ひゃ!え、どうしたの?」 〇〇「体冷えちゃったでしょ?俺の家行ってあったまってからにしようよ。それにこあちゃん、チルノの家わからないでしょ?俺が途中まで一緒に行ってあげるから‥‥。」 小悪魔「〇〇さん‥‥‥。じゃ、じゃあお言葉に甘えちゃおっかな、えへへ。」 【手をつないで〇〇の家に向かう二人。その姿を木の影から見ているものが一人。】 チルノ「ふふ、計画通りってやつね‥‥。」 ───────────── 【手をつなぎながら〇〇の家に向かう二人。小悪魔は顔を赤らめ俯いたまま〇〇のやや後ろを歩いている。】 はぁ、さっき思いっきり泣いちゃったし〇〇さんに抱き付いちゃったし私の気持ちなんてお見通しよね。 【家に着いて〇〇がお茶を出す。二人きりでうれしいはずなのだが今は少しでも早くここから逃げ出したい気持ちの小悪魔。そこで話を切り出した。】 小悪魔「あの、そ、そろそろ行かないと、チルノちゃんに悪いし…。」 〇〇「もう行っちゃうの?もっとゆっくりしていっても構わないけど‥‥。そういえば大分時間経っちゃったね。チルノも心配してるかな?いや、チルノならそんな事思わないかもね。」 【ちょっと熱いがお茶を飲み干し立ち上がる小悪魔。〇〇も途中まで送ると言ったので立ち上がる。】 〇〇「こっちこっち、この辺は暗くなると迷いやすくて危ないからまだ明るいうちに向かった方がいいよ。」 小悪魔「あ、ありがと。」 【さっきみたいに手をつなげず、少し離れて後ろからついていく小悪魔。数分歩いたところで〇〇が前方を指差す。】 〇〇「ここを真っすぐ行くと大きくて太い木があるからその木まで行ったら右ね。すぐ近くにチルノの家があるはずだから。」 小悪魔「ありがと‥‥、そ、それじゃ。」 【足早に立ち去ろうとする小悪魔の後ろから声をかける〇〇。】 〇〇「まさかこあちゃんがあのペンダント持っててくれたなんてうれしいよ。またいつでもうちに来ていいからね。ってかその…また来てね。」 小悪魔「え?あ、はい!また必ず来ます!」 【〇〇が言った言葉に〇〇との距離を遠ざけていた自分が惨めに思えた小悪魔。自分の事を気にかけてくれる〇〇の言葉に先程までの小悪魔は消え去りすっかり元通りの小悪魔へと戻った。】 小悪魔「〇〇さん、ありがとう。また来ますからねぇ。」 〇〇「なんだか、元気になったみたいだな。よかったよかった。それじゃ、気を付けて。」 もう、私ったら馬鹿ね。自分で思い込んで自分で落ち込ませて、〇〇さんは何も悪くないのにね。 【そう自分に言い聞かせチルノの家へ向かう。】 確かこの木の右側ね。‥‥‥あれかしら?この辺だと家って言ったらあれくらいしか…。 【森の中にたたずむログ調の小屋、これがチルノの家だ。】 小悪魔「チルノちゃ~ん。来たわよ~。」 チルノ「もう、遅いわよ!〇〇と何してたのよ。」 小悪魔「べ、別に何も…。」 チルノ「まぁ、とりあえず入りなさいよ。」 【チルノに促されるまま家に入る小悪魔。中は割とすっきりしていてチルノの性格からは想像もできないほどきれいにまとまっている。】 小悪魔「きれいな家ねぇ。ここチルノちゃんの家よね?」 チルノ「その言い方ちょっと失礼じゃない?こあちゃん。まぁ、あたしの家じゃないけど。」 小悪魔「え?どういうこと?」 チルノ「大ちゃんの家なんだけど今大ちゃんいないから借りてるだけなのよ。」 小悪魔「へぇ~。」 【なぜ居ないのか、気になったが野暮な事は聞かないようにした。なにか訳ありなんだろうと自己解釈しその話題は終わった。】 小悪魔「それで、呼び出した理由は一体何?」 チルノ「〇〇の事に決まってるでしょ。こあちゃん、〇〇の事好きなんでしょ?」 【突然のチルノの言葉に固まる小悪魔。アイシクルフォールとかパーフェクトフリーズとかそんなチャチな物では断じてない。まるで小悪魔の時間だけが止まっているかのように完全に固まっている。】 チルノ「だからお手伝いしてあげようと思ってね。‥‥って固まりすぎよ!」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 チルノ「まったく、そのくらいの演技であたしが騙せるとでも思ってるの?」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 バタッ 【突然倒れる小悪魔。気絶しているのか、虚ろな目をしながら何やらぶつぶつと呟いている。】 チルノ「ちょっと!しっかりしなさいよ!」 【体を激しく揺すり意識を戻させるチルノ。そのかいあってか小悪魔はどっかの世界から戻ってきた。】 小悪魔「はっ!わ、私は‥‥。」 チルノ「もう、好きなんでしょって言っただけなのに何考えてたのよ。」 小悪魔「あ、そ…その事は〇〇さんには…?」 チルノ「まだ言ってないわよ。」 【依然、固まったまま目が泳いでいる。そこでチルノは…。】 パチン! 小悪魔「きゃっ!」 【小悪魔の頬を軽くはたいた。】 小悪魔「チ、チルノちゃん!なにするの?」 チルノ「しっかりしなさいって、そんなんじゃ逃げられちゃうわよ。」 小悪魔「で、でも。そんな急にこ、告白とかそんな。」 チルノ「お、割と聞いてたのね。それに急じゃないでしょ?こあちゃんは今日〇〇に会って今日〇〇が好きになったわけじゃないでしょ?」 【チルノの一言に納得して話を聞き入る小悪魔。しかし、その心は不安でいっぱいだ。なぜならこっちがその気でも相手には興味が無かったら意味が無いのだから。】 チルノ「大丈夫よ、ちゃんと手は打ってあるから。」 小悪魔「何をしたの?」 チルノ「起きた時、ペンダントが無くなってたでしょ?あれは‥‥。」 小悪魔「そ、そうだわ!なんてことしてくれたのよ!もう、下着姿は見られちゃったし泣き姿も見られちゃったし挙げ句の果てには抱き付いちゃったし‥‥しくしく。」 チルノ「ちゃんと最後まで聞きなさい!その下着姿が大事なのよ。こあちゃんが今付けてる下着、ただの下着じゃないのよ。」 【チルノの言葉に目の色を変えて聞き入っている。普通の下着じゃない?それが大切なこと?】 チルノ「その下着、ちょっとした催眠効果があってね‥‥。」 小悪魔「私の事好きになるとか?でもそんなので付き合っても…。」 チルノ「だ~か~らぁ、最後まで聞きなさいって!で、その催眠効果なんだけど、その人を好きになるとかじゃなくて『潜在意識を呼び覚まし強調させる』効果があるの。」 【よくわからない様子の小悪魔。潜在意識?それを強調?そうするとどうなるの?】 チルノ「そうねぇ、簡単に説明できるかしら。たとえばリンゴとミカンがあるとする。両方同じくらい好き。でも過去にリンゴで嫌な事、ミカンで良い事があった時、この効果をかけるとリンゴは嫌いでミカンがすごく好きになるの。」 小悪魔「え、じゃあ、まさか‥‥。」 チルノ「わかった?つまり心のどこかで〇〇がこあちゃんに好意をもってればこあちゃんが好きになる。逆なら嫌いにってこと。」 【ふと〇〇さんと居た時の事を思い出す。まさか、そんな、私なんかを…。】 チルノ「心当たりがあるみたいね。」 小悪魔「あ、そうだ、下着返さないと。洗って返すから待ってて、それと私のは?」 チルノ「その下着はいつでもいいけど、それとこあちゃんの下着は〇〇の家よ。持って帰ったって言っておいたけど本当は洗面台に置いてきたわ。」 小悪魔「見つけられちゃったらどうするのよ!」 チルノ「まぁ、確実に見つかるでしょうね。その時の反応が、〇〇の性格からして『洗って干しておきたかったけどこあちゃんの許可無しに触れない』って感じだったらもう告白しちゃって良いと思うわ。」 それは言うなれば、次に〇〇さんの家に行ったときに私の運命が変わると、大袈裟かもしれないけどそういう事。どちらに転んでも私は受け入れるしかない。もし悪い方に転んでしまったら私はこの先どうすれば…。 チルノ「今日はもう暗くなっちゃったしここに泊まって明日行けば?〇〇に夜は危ない、とか言われたんじゃない?」 小悪魔「…うん。」 チルノ「こあちゃん、良い方向に進んでるわよ。」 小悪魔「‥‥‥‥‥。」 【顔を真っ赤にして俯く、まさか本当に、という気持ちがあるがその反面本当は自分の空回りだったら、と思うとうれしい気持ちも吹き飛んでしまう。そんな気持ちの上下で不安定ながら今は平均して0の気持ちだ。】 チルノ「それじゃ、今日は一緒に寝てあげよっか?」 小悪魔「へ?一緒に?」 チルノ「恐いでしょ?明日になるのが。一人で寝て泣かれるのも困るし。」 小悪魔「…うん。一緒に寝て。」 【布団を一つだけ敷いて一緒に寝始める。】 小悪魔「‥‥‥‥うぅ、‥‥しくしく‥‥‥。」 チルノ「やっぱり泣くとは思ったけどね。‥‥よしよし。」 【小悪魔の頭を撫でながら仲良く眠りについた。】 【翌朝、小悪魔が目を覚ますと隣にチルノの姿はなかった。】 小悪魔「ん、チルノちゃん?」 【周りを見渡しても呼んでも返事が無い。どうやら家の中には居ないようだ。】 小悪魔「どこ行ったのかなぁ。」 【起き上がろうと手を付いたときに枕が濡れているのに気付く。ついでに自分の両目も。】 小悪魔「あれ、これ。私の…涙?私泣いてたの?」 【自覚していなかったがどうやら自分は泣いていたんだと理解した。そして昨日の夜、チルノから聞いた催眠効果の事も思い出した。】 そうだわ、今日、〇〇さんの家に行った時に覚悟を決めなくちゃ。せっかくチルノちゃんが作ってくれた機会だもの。 チルノ「ただいまぁ、あ、起きたのね。」 小悪魔「あ、おはよう、チルノちゃん。どこに行ってたの?」 チルノ「魚採ってきたのよ、朝食べるの。」 小悪魔「チルノちゃん、釣りできたっけ?」 チルノ「やったことないわよ。罠仕掛けて採ったのよ。」 チルノちゃん、罠作れるんだ。すごいなぁ。 【採ってきた魚を特に工夫することもなく塩焼きにするチルノ。でも今の小悪魔にその姿は眩しく輝いていた。】 チルノちゃんが料理(?)してるなんて、私チルノちゃんの事、ちょっと誤解してたかもしれないわ。人の事なんか気にしない性格だと思ってたけど…。 チルノ「こんなのだけど、どうぞ。」 小悪魔「ありがとう。いただきます。」 うん。焼き魚だわ。普通の焼き魚だけど昨日のチルノちゃんの事を考えるとなんだか心がこもっているみたい。 【一通り食べ終え一緒に片付けをする。片付けをしている最中、チルノが話し始めた。】 チルノ「こあちゃん、分かってるわよね。今日は〇〇の所に行くんでしょ?」 小悪魔「う、うん。でも不安だわ、本当にあの言葉は私に好意を持ってる言葉なのかな?って。」 チルノ「自信持ちなさいよ!〇〇は自分の事が好きなんだ!って思わないと上手く行くものも失敗しちゃうわよ。」 【チルノの言葉に頷く小悪魔。自信を持つ事は大切だが、やはり不安は拭えない。もしダメだったら…という気持ちが心の隅に生まれてきてしまう。】 チルノ「さ、片付けも終わった事だし、さっそく向かうわよ。」 小悪魔「え?もう?」 チルノ「善は急げって言うでしょ?」 小悪魔「善、なのかな?」 【チルノと一緒に〇〇の家に向かう。家に近付くたびに高鳴る鼓動を抑えようと深呼吸したり遠くを見つめてみたりするが、効果は無い。】 あぁ~、一体なんて言えばいいのかしら。ストレートに好きです?それともお友達から?控えめにこれからもよろしく? 【何か考え事をすると時間の経過が早くなるもので、気が付いたら〇〇の家の前に着いていた。】 チルノ「あたしにできるのはここまで。後はこあちゃんの問題ね。」 小悪魔「うん…、頑張ってみるね。」 【玄関の前に立って大きく深呼吸を三回。そして声をかける。】 小悪魔「〇、〇〇さ~ん‥‥いますか?」 〇〇「は~い、あ、こあちゃん。おはよう。」 【いつもと変わらぬ〇〇の姿に少し安心する小悪魔。】 小悪魔「お、おはよう‥‥ございます。」 〇〇「ほらほら、上がっていいよ。」 小悪魔「そ、それじゃあ、お邪魔します。」 【ぎこちなく家に上がる小悪魔。和室に案内されこたつに入ってるよう言われる。】 〇〇「今、お茶持ってくるよ。」 小悪魔「あ、いや、そんな…差し支えなく‥…。」 〇〇「ん、ん~‥‥。」 【緊張しているせいか言葉遣いが普段と異なって妙に丁寧になってしまった小悪魔。とりあえずお茶を持ってきて話しを始める〇〇。】 〇〇「その、あのさぁ、一つ言っておかなきゃならないからさ…。」 小悪魔「あ、え?ど、どうしたの?」 〇〇「昨日のペンダントの事、チルノちゃんに言われたとはいえあんなになるとは思わなかったし、あんなに大切にしてくれてたなんて…。だから、ごめん。そしてありがとう。」 小悪魔「そ、そんな!私は〇〇さんからもらった大切なペンダントだからあの時は必死で…。」 〇〇「だからうれしいんだよ。」 そんなこと言われちゃったら私もうれしくなっちゃうよ。今度は私が言わなくちゃ。 小悪魔「あ、あの。〇〇さん。」 〇〇「ん?なに?」 小悪魔「私も今、言っておきたい事があるんだけど、いいかな?」 〇〇「うん、いいよ。」 落ち着け、落ち着くのよ私。落ち着いて順番に話していけばきっと大丈夫。 小悪魔「あの、私‥‥〇〇さんと…お友達に‥‥‥なりたいの。」 〇〇「‥‥‥もう、友達だと思ってたのは俺だけ?」 小悪魔「え、わ…私と、お友達だって思ってくれてたの?」 〇〇「ずっと前から友達だと思ってたよ。俺の中ではこあちゃんが一番の友達。というか友達少ないけどね、はは。」 〇〇さんがお友達だって思っててくれたのに私ったら何やってるのかしら!だったらもっと思い切って言わなくちゃ。 小悪魔「そ、それじゃあ、お…お友達‥‥以上は?」 〇〇「恋人って事?」 小悪魔「ひゃ!そ、そんな大それた事は!ま、まだ早すぎるわ!」 〇〇「そう?俺はその…。」 小悪魔「えっとその‥‥‥、恋…人‥‥だなんて言葉にしたら…、あの…その…。だ、だから、お友達からゆっくり‥‥、い…いい関係を‥‥‥ね?」 せっかくのチャンスなのに私ったら何言っちゃってるの。これじゃあ、私の方から距離を置いてるみたいじゃない。 〇〇「それじゃぁ、今度からもっと図書館に行っていいかな?」 小悪魔「え、あ、うん。待ってる。私も…〇〇さんに会いに来ても‥‥いいかしら?」 〇〇「パチュリーに叱られないようにな。」 小悪魔「ありがとう。あの、それじゃ‥‥そろそろ、帰るね。ま、また‥‥‥会いましょ。」 〇〇「うん、絶対行くから。」 小悪魔「‥‥‥///」 【赤くなった顔を隠すように俯いて〇〇の家を出る小悪魔。外に待ってたチルノが一言。】 チルノ「その顔は上手くいったみたいね。」 小悪魔「うん…まぁ、ゆっくりと‥‥だけどね。あの、チルノちゃん‥‥‥ありがとうね。」 チルノ「いいのよ。あたいは幸せになってく二人が見れればね。」 小悪魔「色々あったけど、結果が良ければ大丈夫よね。そろそろ戻るわ。機会があったらいつでも図書館にきてね。」 チルノ「門番がいるんじゃないの?」 小悪魔「私の友達って言えば大丈夫だと思うよ。ダメだったら私が作った秘密の入り口があるから。」 チルノ「あんたが作ったのなんてもうバレてるんじゃないの?」 【他愛もない会話を軽くしてチルノは森へ、小悪魔は紅魔館へと戻った。】 紅魔館 小悪魔「パチュリー様!ただいま戻りました!…ってこれは一体!?」 【図書館に入ると館内中に2、30を超えるメイド、給湯室にも3人のメイドがいた。】 パチェ「早かったわね、こあ。もっとゆっくりしてきても良かったのに。」 小悪魔「パチュリー様、これは一体どういうことですか?こんなにメイドの皆さんが…。」 【メイドの一人が紅茶を持ってきた。テーブルに置かれた紅茶を眉間にしわを寄せながら飲むパチュリー。】 パチェ「これくらい居ないと貴方の代わりは補えないのよ。‥‥まだ補えてないけど。」 小悪魔「それはありがたいですが…。」 パチェ「貴方達、こあが来たからもう戻っていいわよ。」 【ぞろぞろと図書館中から出入口に集まってくるメイド達。図書館を出ながらしきりにお礼を言ってくる。】 「こあ様、ありがとうございます。」 「お早いお帰り、感謝いたします。」 「お羽、伸ばせましたか?こっちはもう‥‥あ、いやその、なんでもないです。ありがとうございます。」 【なんだか良く分からないが擦れ違うたびにお礼を言われる。そんなに早く帰ってきたことがうれしいのだろうか。】 小悪魔「パチュリー様、何かなされたんですか?」 パチェ「さぁ?」 私には分かるわ。パチュリー様が怒るときに発するあの魔力、あれを感じてたに違いないわ。確かに図書館の仕事って私しかしてないから普通のメイドには大変かもしれないけど、あんなに怯えるまで怒らなくても…。 パチェ「部屋に戻るわ。紅茶をおねがい。」 小悪魔「あ、はい。」 【部屋というか本棚に囲まれた一角にパチュリーの寝室のような部屋がある。紅茶をいれて寝室に向かう小悪魔。本棚の本の並びがバラバラになっているのを見るとこれからの仕事の多さに肩を落とす。】 小悪魔「お持ちしました。」 パチェ「とりあえずそこに置いといて。それでこあ、貴方にはこれから週一度休みを与えるわ。」 小悪魔「え!?どうしたんですか、急に!」 パチェ「貴方の顔を見れば一発よ。早く図書館から出てある場所に行きたいって顔。」 小悪魔「私、そんな具体的な顔してるんですか?」 【持っている本をパラパラとめくるパチュリー。】 パチェ「ここに書いてあるわ。 そんな顔をするのは普段から長時間の拘束を強いている証拠。一週間に一日くらいは暇を与えてはどうだろうかってね。」 小悪魔「それはうれしいんですが、パチュリー様はいいんですか?また図書館中にメイドを置くんですか?」 パチェ「咲夜に任せるわ。まだ彼女の方がマシね。貴方程ではないけど。」 小悪魔「そんな、咲夜様よりだなんて!」 パチェ「図書館の中でのみよ。」 小悪魔「それはそうですが…。」 【咲夜より上だと言われ焦るが図書館内のみと言われ落ち着きを取り戻す小悪魔。それでもうれしいことには変わりはないのだが…。】 パチェ「それと、チルノが尋ねてきたら通してちょうだい。」 小悪魔「え?チルノちゃんが?はぁ、わかりました。では仕事に戻りますね。」 【なんでチルノちゃんが?と思いつつも本棚を整理し始める。これは今日中に終わりそうもない。小悪魔が戻るのがもっと遅かったら一体どうなっていたのだろうか。】 (こあちゃ~~~ん、いる~~~ぅ?) 小悪魔「あれ?この声は。」 チルノ「あ、いたいた。」 小悪魔「やっぱりチルノちゃんだったの‥‥え?〇〇さんも?」 〇〇「いや、必ず行くって言ったから早速来ちゃった。」 チルノ「あたいはパチュリーのとこ行くから二人でイチャついてなさいよ。」 小悪魔「チルノちゃん!なにを‥‥‥////」 【小悪魔からパチュリーの居場所を聞き寝室へ向かうチルノ。】 パチェ「来たわね、今解いてあげるわ。」 【今パチュリーが解いたもの、それはチルノにかかってた魔法。】 パチェ「知能を急激に上昇させる魔法、普通の人なら知恵熱で自然発火するけど冷気を操る貴方になら使えるわ。」 チルノ「はぁ、疲れたぁ。頑張ったんだからジュースでもちょうだいよ。ってかそれならレティでも良かったんじゃないの?」 パチェ「彼女にも使えるけど貴方と違って自分の頭だけ局所的に冷やすことはできないのよ。もし彼女に使ってたら辺りは凍死体の山ね。それに貴方はこあと仲がいいでしょ。」 チルノ「あたいは涼しい方がいいけどね。それよりあの二人どうするのよ、熱くて近寄れやしないわ。」 【遠くから二人を見つめるパチュリーとチルノ。二人ともモジモジしててぎこちない。】 パチェ「ふぅ、まったく、世話が焼けるわね。 『モジモジする二人をスムーズにして尚且つ赤髪に仕事を始めさせる方法』は…っと。‥‥‥あった、これね。」 チルノ「そんなのあるの?」 パチェ「私の図書館の本に不可能の文字はそんなに無いわ。」 おわり うpろだ1036 ここは紅魔舘の図書館である ○○「こんにちは~ってあれ?だれもいない?」 タッタッタッタッ こあ「はぁはぁ、こ、こんにちは○○さん今日はどのようなご用件でしょう?」 ○○「こんにちは、こあちゃん。今日はパチュリーさんに呼ばれてきたんだけど……」 こあ「それならこちらへどうぞ」 パチュリー「あら、いらっしゃい。早かったのね」 ○○「こんにちはパチュリーさん」 パチュ「小悪魔、紅茶を持ってきて3、いや4人分」 こあ「わかりました。パチュリー様」 そういってこあは台所へ飛んでいった パチュ「いいかげんにその「パチュリーさん」をやめてくれない?パチェでいいわ」 ○○「それならパチュリーさんも小悪魔なんて呼ばないで「こあ」でいいじゃないですか?」 パチュ「……言うようになったじゃない。まぁいいわ、今日はあなたに聞きたいことがあって来てもらったの」 ○○「なんですか?」 パチュ「あなたこあk、いや、「こあ」の事が好きなのよね」 ○○「……そうですが何か?」 パチュ「そのことを彼女は知っているのかしら?」 ○○「片思いってやつですよ。それに彼女を困らせるわけにもいかないし……」 パチュ「というわけでこの人を呼んだわ」 魔理沙「恋色の魔法使い、霧雨魔理沙、参上だぜ!!」 ○○「恋色って何色なんですか?」 魔理沙「……お前は痛いところをついてくるな。恋色は恋色だぜ?」 パチュ「……こほん、ということで魔理沙、○○に恋のナンやらを教えてあげて頂戴」 魔理沙「任せろだぜ!!まず、お前はもう少し我がままになった方がいい。相手がほしいなら力ずくだぜ!!」 ○○「力ずくって……弾幕じゃないんですから。それに俺がこあをもらっていったらこの図書館に司書がいなくなってしまいますが?」 パチュ「その辺ならどうにかなるわ。また使い魔を召還すればいいだけの話しだし」 魔理沙「というわけだぜ。安心して告白してこい!!」 こあ「紅茶持って来ました~。魔理沙さんいらっしゃい」 魔理沙「ほら言って来い○○!!」 ○○「あ、あのさ本を探してるんだけど一緒に探してくれないかな?」 こあ「えっ、あ、いいですけど。じゃ、じゃあ行きましょうか」 二人して図書館の奥の方へ歩いていった 魔理沙「……上手くいったな。これでいいのかパチュリー?」 パチュ「……これでいいのよ。こうした方があの子達にとってもいいはずだわ」 こあ「あ、あの、どの本をお探しですか?」 ○○「え、と、俺にでもできそうな魔道書を」 こあ「それなら……向こうの方ですね」 そういってこあは立ち止まった ○○「?どうしたのこあ?」 こあ「あ、あのですね!!ここからだと遠いので、て、手握ってもいいですか?飛んでいけば早いので……」 ○○「あ、ああいいよはい」 そういって俺はこあの手をとる こあ「○○さんの手、暖かいですね……って何言ってるんだろう私!!そ、それじゃあ行きますね」 二人の姿が宙を飛ぶ こあ「着きました○○さん」 ○○「おっとと、ありがとうこあ」 こあ「……そのですね、も、もう少し手を握ってていいですか?」 ○○「ん、別にいいよ」 こあ「……」 ○○「……」 こあ「……っ……うっ……」 突然こあが泣き始めた ○○「どうしたのこあ?」 こあ「わ、私、あ、あなたに謝らなきゃいけないんです。その、さっきの会話……」 ○○「え~と、多分魔理沙さんとパチュリーさんとの会話か」 こあ「その、はじめは聞く気なんてなかったんです。でも話しているのが聞こえちゃって……」 ○○「ど、どの辺あたりから聞いてた?」 こあ「え、とパチュリーさまがこあk、って言ってたあたりから……本当にごめんなさい」 ○○「……プッ、アハハハハハ!!」 こあ「!?」 ○○「ああもう何か吹っ切れたよ。ありがとうこあ」 こあ「えっ、あの……?」 ○○「俺はこあのことが好きだ。この幻想郷、いや、世界中で誰よりも愛している。この気持ちはきっといつまでたっても変わらない。そしてこの気持ちをくれたのは君なんだ。だから俺は君の事をずっと愛したい」 こあ「う、嬉しいです○○さん。私も○○さんのことが好きです!!」 ○○「あ、あれなんか俺も目から涙が……きっとこあからもらったんだな」 こあ「そうかもしれませんね……私が涙を取ってあげます」 ペロッ ○○「こ、こあ!?」 こあ「ふふっ、これでも一応小悪魔なので♪」 ○○「そうだったね、すっかり忘れてた」 こあ「○○さんったらひどいんですから~……さてこれからどうしましょう?」 ○○「う~ん、本は後でいいから庭に散歩でも行こうか」 こあ「そうしましょうか♪」 二人は手をつないだまま図書館のドアを開けていった おまけ 魔理沙「……帰ってこないな」 パチュリー「……そうね」 魔理沙「暇だから私は帰るぜ。ついでにこの本も借りてくぜ」 パチュリー「もってかないでー」 おまけのおまけ ○○の日記 ~~~と こうして僕たちは付き合うことができた そして僕はこの図書館の司書手伝いとして働いている。……門番よりかは良い待遇である 感謝の気持ちとして魔理沙には貸し出しカード(期限は3ヶ月)をパチェに発行してもらえるように頼んだ そしてパチュリーのことを、仕事以外ではパチェと呼ぶようにした おっとこあが呼んでるから行かなくちゃ えっと続き続き こあは今では良い奥さんとして一緒に暮らしていて、裕福とまではいかないが暮らしていけるほどの給料をもらっている そうそう、こあは使い魔として開放されて、自由を手に入れたみたい。でもパチェのことをまだ様付けで呼んでいる ふうこんなところかな こあ「○○さ~ん」 ○○「どうしたこあ?」 こあ「パチュリー様が結婚式は来週のいつか?って聞いてくるんですけど……」 ○○「水曜日って言っておいてくれ。あとこあ、お腹大丈夫か?」 こあ「大丈夫ですよ~。前みたいに飛ぶのは怖いですけど、……今ではあなたがいますし、それにこの子だっています。それに比べれば軽いものですよ」 ○○「そうか……うん、そうだよな。さて俺も手伝いを再開しますかな」 こあ「さぁいきましょう。あなた」 ○○「うん、行こう!!」
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No.1010 小悪魔 條件:パチュリー1 配置:符卡 咒力:3 這張支援卡只能配置於使用條件包含『パチュリー』符卡。 [充填階段/攻擊時]常時 配置這張支援卡的符卡呈起動狀態的場合,充填階段開始時,自己獲得1點咒力。 [戰鬥階段]咒力1 到階段結束前,配置這張支援卡的符卡獲得「防壁(1)」。 (每階段只能使用1次)
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小悪魔6 5スレ目 775 「あ~ぁ。司書の仕事も楽じゃねぇなぁ……パチュリーもどこにいるものやら」 片方の手に紅茶セットの入ったバスケットを持ち、だだっぴろい図書館の中をパチュリーを探す。 紅茶持ってきてやったのにそんなときに限っていつもの場所にいないとは猫度アップだな。 しかし果たしてパチュリーは猫だろうか? 猫耳だけではきついな。眼鏡を足せば……うむ! 合格だ! じゃあ小悪魔に猫耳は……いや、悪魔羽と猫耳は共存しないなやはりそのままの君でいて などと自分でもよく分からない妄想を垂れ流したまま広大な図書館を彷徨い歩く。 今日も平和だ。 主に俺の頭が。 やっと見つけたパチュリーは、図書館の端にある小さな部屋にいた。 部屋と言ってもたいした大きさではなく、ちょっとした調理が出来る台所と言った感じの部屋である。 薬か何かを作っているらしく、かまどに火が焚かれている。 そのおかげで薄寒く暗い図書館もこの部屋だけ紅明るく、ほのかに暖かい。 火にくべられてくつくつと煮える中華鍋の中からは、おそらく薬草か何かだろう、不思議な匂いが漂う。 ……って、中華鍋? 中華鍋って、主に炒め物に使う道具じゃなかったろうか。 そもそも製薬中の魔女と言って中華鍋に向かう魔女を思い描く者はおるまい。 肉体言語魔法少女並に何か間違ってる。 「なに」 こちらの気配に気づいていたのだろう、背中越しに声をかけられる。 「魔女と中華鍋というミスマッチ具合が実にパチュリーらしいな」 ひとまず思ったことを口にするとぴたりと手が止まり、 いつもよりわずかに目を大きくして、しかしいつも通りめんどくさそうに振り返った。 「あら。あなただったの」 誰だと思ったのやら。 「てっきり小悪魔だと思ったわ。今気づいたけど、あなた達、色がよく似てるのね」 色? なんだそりゃ。 「五味はね、五行に繋がっているの。 五味を統べるとも言える中華鍋は、七曜の魔女である私に最も似合っている調理道具だと思わない?」 「思わない」 あ、むくれた。即答しすぎたか。 いつも以上に不満憤懣たるやといったジト目で見られるが気にしない。 「悪いが俺は製薬理論を聴きに来たんじゃなく、紅茶を持ってきただけなんだ。ほれ、飲もうぜ」 テーブルにポットと三つカップを並べて紅茶を注ぎ、勝手に自分のを飲み始める。 パチュリーは仏頂面で頬を膨らませたまま、鍋に蓋をしてぺたぺたと近寄ってきた。 「カップ、一つ多いんだけど」 「ん。んん、あー。小悪魔も誘ったんでな。後で来るとさ」 「ふーん、そう」 ごくなにげない調子でパチュリーは続けた。 「あなた、あの子のこと好きよね」 「んぐっっ! げふっ、げほっ、えほっ………えへんえへん。ん゛ん゛っ、ん゛っ。 フッ……何を言い出すかと思えば」 「紅茶噴いた顔でかっこつけ直しても遅いわよ、ほら、良いからちょっと耳貸しなさい」 顔を近づけあってぼそぼそと声をひそめる。 「(なぜ気が付いたッ!? 他人の色恋沙汰に気づけないほどは鈍感だと思っていたのにッッ)」 「(五月蝿いわね。咲夜から聞いたの。 紅魔館のメイド長は世界一ィィィィィィィィィ! 知らん事などナァァァァァァァァイ! だそうよ)」 「(市はr……あー……うん、ごめん。謎の敗北感と共にすごい納得した)」 「(って、そんなことはどうでもいいわ。あなた、今のままで良いの? さっさとくっついちゃいなさいよ?)」 「(簡単に言ってくれるのな……そりゃ俺だって是非そうしたいが)」 「(私が近いうちにセッティングしてあげるから、そこで……! というのはどう?)」 「(マテマテマテ、そもそもなんでそんなに積極的なんだよ)」 「(楽しいから。)」 うむ。新しいおもちゃを目にした子供のような、実に期待に満ちた楽しそうな表情だ。腹立つほど。 「はぁ。それにしても意外だな。本にしか興味がないと思ってたのに」 「そうだったんだけどね。私も色々変わってきたのよ。主に人間の所為で」 妖怪は人間に比べて寿命が長く、それゆえ変わりにくい。 しかし、人間――魔理沙だとか、咲夜さんだとか、俺だとか――と接するようになったことで、変わってきた。 そういうことらしい。 確かに『楽しいから』なんて俺や魔理沙が言いそうなセリフである。光栄な話だ。 「あなたのことは……性格はかなり変だけど、買っているわ。 あなたも、同じくらい本を愛してくれている。 そして本と同じくらいお互いに好意を持っている。 だから。あなたは二人で幸せになる義務があるわ」 そう言ってぬるくなりはじめた紅茶を啜る。 「……そこまで思われてたとは、心強い話だ。 ご期待に添えるよう、努力する。やってみるぜ」 全く。 全く、実に心強い話だ。 さらにしばらくして、やっと小悪魔は来た。 「すみません、遅くなりました~、って、あれ? なんだか焦げ臭くないですか」 「「あ」」 パチュリーの製薬成功率がまた下がった。 BadEnd 01、火にかけた鍋からは離れないようにしよう! 予定外の精製失敗のおかげで、パチュリーは早くも“セッティング”をその日の午後にもってきた。 俺と小悪魔に薬草の収集を命じ、魔法の森の近くにある花畑に向かわせたのだ。 ぽかぽかと陽気が漂う昼下がり。 それは、まぁ、確かに一日中カビ臭い薄暗い図書館にいては一生得られそうにない絶好のシチュエーションだった。 ああ、それにしても今日はいい天気だなぁ……やっぱ小悪魔綺麗だよなぁ…… 何もかもが美しい、天使のような小悪魔。 瑪瑙のように煌めく瞳、柔らかそうにふくらんだ唇、 落ち着きと知性を漂わせる表情、ぱたぱたと動く羽。 しかし何と言っても少しウェーブのかかった、ふわっふわの紅く煌めく長い髪が素晴らしい。 こんな日に、踊るように花を摘む小悪魔に見とれないヤツなんているわけがないね。 そして事実俺は自分が摘むべき草も忘れて小悪魔に魅入られていた。 直前にパチュリーにつつかれていた所為も、場所のおかげもあったかもしれない。 けれどそんな綺麗な横顔を見ていると、俺の気持ちはごく自然に口をついて出ていた。 日々寝る前に顔から鳳翼天翔するくらいキザなセリフを練習していたのが嘘のようだった。 「小悪魔」 「はい?」 「好きだ。愛してる」 「はい。ありがt……ぇ? はれ? ほぁぇぇっ??」 元から大きめな瞳がさらに大きく見開かれ、頭と背中の羽も尻尾もピン!と直立し、 両手を口元に当てて驚いたままの表情で固まってしまった。 そしておずおずと両手を胸元あたりに降ろすと、うつむきかげんで視線を彷徨わせ始めた。 「あれ? ぇっと、本気…です、か? あ、ごめんなさい変なこと聞いちゃって。失礼ですよね」 「突然だったことは謝る、ごめん。でも、もちろん本気で言ってる」 ぱたぱた、ぶんぶんぶん 「そっかー、そですか……」 「うん」 ぱたぱたぱたぱた、ぶんぶんぶんぶんぶんぶん 「うーんと、えーっと、ぅーん……?」 音がするほどのあの尻尾と羽の振り様、顔の赤らみようなどから言って、小悪魔は喜んでくれていた。 誰より小悪魔を愛している俺が言うんだ間違いない。 しかし、同時に怒っているようにも見えたし、悲しんでいるようにも見えた。 しばらくそんな難しい顔をしたあと小悪魔が絞り出した答えは。 「あの……ごめんなさい、返事は……しばらく待ってもらってもよろしいですか?」 「おかえり、って……えーと……」 俺の渋い表情を見て良い結果でなかったことは悟ったのか、パチュリーが開きかけた口を噤む。 「まだわかんないけど…保留だってさ。どうかな、ダメなのかな」 パチュリーは眉間にしわを寄せて、何か言おうと口を開いては何も出てこずに口をへの字に曲げることを何度か繰り返した後、一言だけ、ありえないわ、と呟いた。 どうにも合点のいかない小悪魔の対応を訝しみながら、その日は足早に自分の部屋へと引き籠もった。 3日経った。 何も変わらなかった。 1週間経った。 何も変わらなかった。 10日経った。 何も変わらなかった。そう、何も変わらなかった。 毎日顔を合わせているが、何事もなかったかの様に接してくる小悪魔に覚えた感情は、苛立ちだったか、哀しさだったか、それとも感謝だったろうか。 そんなある日のこと。 いつものように図書の整理をしていた俺は、ぼーっとしていてうっかり、 「痛っ!」 「どうしたの?」 「本の金具で指切ったみたいだ。おーいてぇ」 血ぃ出てきたー、とぼやきながら切れた人差し指をパチュリーに見せる。 するとパチュリーは、 「あら、大丈夫? 痛くない?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「おいおい、なんだと思ったんだ」 「な、なんでもないっ! なんでもないのっ!」 ツンと怒ったように顔を赤くして言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばっとうずめた。 と、 「あら何でもないんですか? 残念ですぅ」 「うおっ、小悪魔!? どっから現れた?」 いきなり背後から声をかけられびっくりする。この辺はさすがに紅魔館にいるだけあって神出鬼没だ。 後ろから肩口を覗きこむように抱きつかれ、ケガした指を両手で包み込んでくれる。 こんなに距離が近づいたのは実は初めてかもしれない。 というかなんかふっくらと当たってる。当てられてるのか! ……いやいやその前に。何がしたいんだ小悪魔。泣くぞ俺。 「ふふっ、パチュリー様がやらないのでしたら私が代わりにやっちゃいますよ?」 ……小悪魔? 「別に良いわよ」 「あら残ね……」 けらけらとまんま小悪魔の様な笑いを上げかけて――あれ? とそのままの表情で固まった。 「あの。今なんておっしゃいました?」 「ダメって聞こえたかしら? 好きにしたら?」 「…………あれあれ? いいんですかパチュリー様? そんなこと言って。 もらっちゃいますよ、○○さん」 「良いわよ。それで満足したら早く仕事に帰ってちょうだい」 「…………」 「MPが足りなかったかしら」 「いえ、あの。えと、ホントに良いんですか? 何があったか知りませんが些細なことで喧嘩しちゃダメですよ? 後になってから『やっぱり○○のこと好きだったの』とか言ってももう譲りませんよ?」 「……?」 「あなた、何言ってるの?」 パチュリーが俺と顔を見合わせて不思議そうに首をかしげる。 「いや、だから…あれ? あの、パチュリー様。好きだったんじゃないんですか? ○○さん」 そんなことは初耳も良いところなんだが……そして謎はほぼ解けた。 パチュリーはパチュリーで、ふふぅん、と小馬鹿にしたような呆れ顔を浮かべて小悪魔を見やる。 「あなた何十年私の下で働いてるの? 私が本の知識以上に心惹かれるものなんかあると思って?」 いや、ありがたいことに本の知識以上には俺達のことは気にしてくれていたような気もするが。 「ほぇ……あ……れ……あの日だったか…パチュリー様告白してたじゃないですか……。 そう、私、厨房のそばで聞いてたんですよ?」 「?? 何のこと?」 「そんなこと悪魔に誓って無かったわ」 「ありましたよ! だから私は告白してもらって嬉しかったけど、 それ以上に○○さんが二股かけるような人だと思ってすごく残念だったんですよ!」 パチュリーと二人で難しい顔をして記憶の糸をたぐり寄せる。……ん~? 「あっ。ねぇ、○○。そう言えば小部屋に二人でいたとき……」 「あー。ああ、なんだっけ。たしかに告白した時のセリフとも聞こえる会話だったような」 あ、小悪魔が真っ白になって、みょん侍のように半分魂が抜け出てる。 耳を澄ますとエクトプラズムと共に こ あ ぁ ぁ ぁ ぁ、とかいう苦悶の音をはき出している。 呆然とする小悪魔を尻目に、事件解決ね、後は任せたわ、と言ってパチュリーはすぅっと図書館から出て行こうとする。 その背中に向けて、慌てて小悪魔が我を取り戻して声をかける。 「ちょ、あの! ホントにホントに良いんですね!? 私の勘違いだったことは50歩くらい譲って認めますけど、 もっと後になってから『ホントは○○のこと好きだったの』とか言ってももう譲りませんよ!」 「それさっきも言ったわよ。好きになさい」 と、扉を開けたところでパチュリーが肩越しに振り返って口を開く。 「小悪魔。細かいことは言わないわ。今ここに、たった一つだけ私と契約しなさい。 ――幸せになること。」 「え、あ、は、はい。はいっ! 絶対幸せになります! ありがとうございます!」 それを聞いて満足そうに笑みを浮かべたパチュリーは、今度こそ扉の外へと姿を消した。 ばっ、と弾かれた様に俺に向き直る。 胸の前で手を組んで、眼を潤ませて 「○○さん……ごめんなさい、勝手に勘違いして、怒って、返事もせずにすみませんでした。 今からでも許してもらえるなら、言います。好きです……。私も、好きです! 貴方を愛してます!」 その言葉を、その気持ちを。幾星霜待ち続けていただろうか。 「小悪魔っ…!」 ぎゅっと、抱きしめる。 もう離さない。ずっと、側にいてくれ。そう耳元で囁くと、胸の中でしっかり、はい、と返事をしてくれた。 「私、私……ごめんなさい……」 そう言ってすすり泣く。 涙は似合わない、そう言おうと思って頬の涙を掬った指をふっとさらわれ。 気が付くと俺の指は――好きな人の口の中に吸い込まれていた。 「んっ……ちゅ……れろ…」 「こっっっっこここここここあっくま?」 わたわたと焦る俺の指がぬるりと解放され、つぅと糸を引く。 「血が出ていました、舐めていれば治りますよね」 えへへ、と目尻を赤くしたまま悪戯っぽく笑って、再び指をちゅっと吸い込む。 吸われている部分からぞくぞくとした快感が伝播してくる。 「う、ぁ……」 くすぐったさと恥ずかしさに思わず、手首を握っていた小悪魔の手を取り、同じようにその人差し指に吸い付く。 「ふ、ぁ……ぅん……」 少し驚いて指を一瞬口から離した小悪魔だったが、すぐにとろけるような表情に戻り、指を舐め合う。 ほっそりと白く長い小悪魔の指は、少しだけ本の黴くさい匂いがしたが、ほんのりと甘かった。 口の中で時たまぴくぴくと蠢くものから温もりを受け取り、温もりを与える。 とろとろと熔けそうになる指先からは甘い波が伝わり続け、じんじんと意識までも融かしてゆく。 いつしか、どちらが誘ったか。 お互いの手と手が少しずつ近づいてゆき、自然、ふっと微かに唇が触れ合って――すぐに離れる。 「え、えへへへへへへへへへへへへへへへ」 顔を真っ赤に染め上げてはにかむ俺の恋人。 でも、自分も同じくらい顔が紅く火照って頬がゆるんでいるのを感じる。 お互い恥ずかしくって、二人照れあって、一緒に何か言わなきゃ、と思ってわたわたして。 そして、二人とも同じくらい間抜けなことをしていることに気付いて、ぷっ、と同時に吹き出す。 「「あはははははははははっっ」」 二人でいられる。二人で想っている。二人で感じ合っている。 そんな些細なこと、されどそんな奇跡が幸せで、笑いが止まらない。 ひとしきり笑いあって落ち着いたころ、小悪魔に惚れてからこのかた、長い間夢だった願いを口にする。 「ねぇ。小悪魔。笑ってほしい。ずっとずっと、こうして俺の隣で笑っていてほしい。 俺のためだけに笑っていてほしい。 君の太陽の様な笑顔が、大好きなんだ」 「はい……はい! ずっと、ずっと貴方の傍にいさせて下さい。そうすれば、私は貴方のおかげでずっと笑顔でいられます」 夕立のあとに輝く太陽のように晴れやかな笑顔で応えてくれる。 俺だけに向けられている、向日葵のような笑顔。 もう二度とその笑顔を離さないよう、ぎゅっと強く抱きしめる。 ――ああ、俺は、小悪魔を好きになって、心底良かった。 「あぁ、もったいない。行動に多少問題はあったけど優秀だった司書を、一気に二人も解雇しちゃったわ」 「あいつら勝手に住み着いただけで、元から雇ってないし解雇してもいないじゃん? それに、大丈夫よ。 すぐ三人に増えるわ。ああ、もっと増えるかもね。きっと賑やかになるわ」 「――そう。レミィが言うのならきっとそうなのね」 咲夜が来て、レミィは変わった。 霊夢が来て、レミィはまた変わった 魔理沙が来て、妹様は変わった。私も変わった。 ○○が来て、あの子は変わった。 人間が来るたび、新しい風が吹き込み、紅魔館は変わっていく。 今度来る人間は、きっと悪魔と人間のハーフ。多分。 そして、また新しい風が生まれ、何かが変わっていくのだろう。 この世に生を受けて、はや1世紀が経つパチュリー。 こんなにもめまぐるしく変わってゆく世界は初めての経験だった。 人間という種族からは、どんな本から得る知識も敵わない量の生きた知識を得ることが出来る。 そのことに気付かせてくれた人間達に感謝しつつ、パチュリーは、 その知識を得られることを思って、早くも期待に胸を躍らせるのだった。 7スレ目913 本棚を見上げる。天井は薄暗くて見えない程、遠い。 壁が本で造られていると言える程、本棚が列を成している。上を見れば崖と思わせ、左 右を見れば迷宮と惑わせ、下を見れば整理されていない海。全ての角度から見ようと、全 てが本。活字嫌いが幽閉されようものなら、数時間で精神障害を起こすのではないかと危 惧さえしてしまう。 と、感慨深く思った所で……要するに片付いてないだけ。 「えっとこの本は……うげ。これ南西端側の棚じゃないか。なんでここまで持ってくる必 要があるんだ」 図書館内といっても、今自分がいる位置から該当する本棚へはかなりの距離がある。そ のぐらいこの"仕事場"は広大すぎる。歩いて何分かかるだろうか。 付近に放置されていた書籍類の本棚は見事にバラバラで、東奔西走南船北馬と口に言え ば軽いが、距離を換算したら気が滅入る結果になる。 しかし、雇われてしっかり図書館の主から貰う物貰ってる以上、やらざるを得ない。主 人曰く、ぎぶあんどてーくの精神らしい。 とはいっても、支給元は紅魔館当主からなのだが。 「さて、どこから突っ込んでいくかな」 回収した本の基本位置情報を一つ一つ脳内の図書館見取り図と照らし合わせ、ルートを 弾き出す。だが、結局行って帰っての応酬で時間短縮は見込めそうにない。 「……はぁ」 無意識に重い息が出た。そんな自分に気分が苦くなったが、耳に入って来た小さな声が 苦味をかき消した。 柔らかに笑う、音。 「お疲れのようですね」 「それなりに、かな」 踵を返し、空中を漂う主人の従者に答える。俺に微笑みかけるその優しい表情は、大人 の色香を持ってはいるが、案外茶目っ気があったりドジ踏んだりおっちょこちょいだった りして、保護欲をかきたてられてしまう。"リトル"という名も、性格から鑑みて頷けるい い名前に思えた。 「私の作業は終わりましたから、遠くの本は持って行きます」 両手を差し出して本を受け取ろうとするリトルに、「大丈夫」と俺は軽く手を振って否 定の意を表した。 「構わず休んでてくれ、主人と茶でも飲みながらさ。後で行くから」 「ダメですよっ」 振っていた手をガシッと両手で握られ、リトルの真剣な眼差しにたじろぐ。 「休憩ぐらいご一緒しましょうよ。それに……パチュリー様は今し方気分が優れないとお 部屋に戻られました。私一人で寂しく紅茶を啜れと仰いますか……?」 「言ってない、そこまで言ってないから」 真剣かと思えば、瞳を潤ませ上目遣いで懇願されると、さすがに意思が折れる。ここま でされて拒否を続けられる程、サディズムなんてない。 しかし、ずるい業だ。理解していようとも、従ってしまう。 「でしたら、お手伝いさせて下さい」 「む……そこまで言うなら。これと、これが南西方面なんだ。悪いけど、頼めるか?」 「はい、お任せ下さい。ぱぱーっと片付けてきますからっ」 嬉々として本を受け取り、颯爽と飛んでいく。そんな姿が好ましく、重労働である図書 館の作業も続けられるというもの。 確かに、我が雇い主も妖艶かつ蟲惑的な空気を持ちつつ容姿は少女というなんともミス マッチなお方だが。両手に華なんてお門違いもいい所だが、恵まれてると実感する。 最近、というより数ヶ月も好調のようだった主人が急に体調不良とは少々驚いた。加え て妙に元気というか気合の入ったリトルの姿にも違和感があるのだが。 とかく、後々主人の見舞いでもさせてもらおう。 「よし、さっさと終わらせよう」 拳に力を入れ、数冊の本を抱えて歩き出す。本来あるべき地へ納める為に── 「先ほどの終わりました。次はどこのでしょうか」 「──速すぎだろ常識的に考えて」 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/谷・)_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_ /_/_/ 「アールグレイとジャワがご用意できますが、どちらがよろしいですか?」 「アールグレイ、お願いできる?」 リトルは笑って頷くと、茶葉の入ったポットに熱湯を注ぎ始めた。色々と工夫をしているみたいだが、詳しくはわからない。多分、本格的な淹れ方なのだろう。 数刻前は残骸の山に見て取れたテーブルの周囲も、今ではすっきり爽やかさんくm…… 失礼。綺麗に清掃されている。 「少々お待ち下さいね、もうすぐ良い香りになりますので。あ、よろしければ先にお茶菓 子をどうぞ。頑張って作ってみたんですよ」 「お、リトルが作ったのか。……ん? 見たことないな、コレ」 テーブルには、主人と三人で休憩を楽しむ際によく見るクッキーやドーナツの他に、全 く知識に存在しない細い棒の束があった。全体的に黒く、先端が白い。 「最近また、新しい雑誌が来まして。その中に書かれていました。ポッキーって言う名前 のお菓子です」 ぽっきー。確かに、見た目通り簡単に折れそうな名前だ。 「へぇ、ちょっと一本。……ぉ、チョコレートとビスケットってやつか」 「大体そのような感じですね」 リトルの作った新作に感嘆しつつ、淹れ立ての紅茶がテーブルに置かれた。 アールグレイは薫り高く、ドーナツはふっくらと、クッキーは芳ばしく、ポッキーの小 気味良い音が俺とリトルの雑談に花を添えてくれる。主人はおらず、本日の作業は全て終 わっている。止め処ない語りは、時間の流れを意識させなかった。 「それでまぁ、あれは臭いったらありゃしないよ本当に」 「ですよねぇ、臭いですよねぇ~」 一段落ついでに何かしら菓子を取ろうとして……手元がスカる。テーブルを見れば、あ るのはポッキリいくのが一本のみ。 「あ、悪い。結構食っちまったか」 「いえ、お構いなく。美味しく召し上がって頂けたようで、嬉しいです」 満面の笑みが目に焼きついて、急速に気分が高揚してくる。この笑顔で三倍飯だ。 彼女が魔族である事は知っている。ただ、魔族と思える節が全く見えない。笑顔で人を 救ってしまえるのではと思う程、魔族とかけ離れている。 「じゃあ、最後のこれはリトルが食べてくれ。俺は貰いすぎたよ」 「そうですか……? あの、でっ、でしたら、半分ずつにしましょう」 急に挙動がおかしくなった気がしたが、そのままリトルが手にしたポッキーが半分に割 れて渡されるのを待った。 が、折らずに咥え、テーブルから身体を乗り出してきた。 「ん?」 リトルが、ポッキーの先端を咥えたままお戯けた笑いを向けてくる。 「──へ?」 「ふふ、わかりませんか?」 唇で挟みながらも器用に喋るリトル。 意図がわからず、呆ける。しばらくして、ハッと脳内が鮮明になった。 ま、さ、か…… 「は、はんぶん?」 「はやくして下さいよ。私の方、濡れて折れちゃいます」 目が細まり、からかいの意が伝わる。これを食べろ、と言いたいらしい。 一回だけ里で聞いた事がある。外来人が開いた集団お見合いみたいな集まりで、男女一 組で一本のうどんを互いに両端から食べて度胸試しみたいな事をしたと。 リトルもその意味を理解してやっている様子で、目や口元は『どうしたんですか? 食 べないんですか~?』と挑発しているが、頬は夕暮時を越える紅色。 つまり。俺は試されている。男としての度胸を試されている。と、思う。 「一応聞くけど……手で半分に折ったら?」 「怒ります。大弾を妖夢さんの未来永劫斬並の剛速球で投げます」 「イタダキマス」 とは言ったものの、緊張で身体が強張る。しかも、リトルは目を瞑ってる。しかし、躊 躇して時間を経てれば経てる程状況は宜しくなくなってしまう。 意識を高める。我は獣、目の前の糧を喰らうのみ。 ポッキーの半分を口に入れ、乾いた音が耳に届く。折れた合図に心で頷き── リトル側の半分がテーブルに落ちるのを最後まで見てしまった。 「……」 身体が止まる。頭も、首も、腕も、足も。四肢の骨が鉄の棒にすり換えられた。 逆に、内部は灼熱が迸る。鉄は炉で熱されたばかりの真紅に染まり、肉が煙を立てて焼 け焦げる。 どれほど接触していたか。柔らかく、肉厚な桃色のそれが自分から離れていった。呆然 とした俺の口から、折った棒が落ちて転がった。 「り、リトル? 今、俺に何をしたかわか──」 「わ、わかってますっ」 うつむいていて、表情は窺い知れない。きっと、鬼灯の赤だろう。きっと、俺も。 「おぉ、俺はうれしっ、いややや。別にいいけどさっ、い、いいのか、リトルは」 「……他の男の人とは、絶対しません」 脳天直撃。これは酷い、いや。これはやばい。 「あ、新しい茶葉取って来ますねっ」 言うが早いか、視界からリトルの姿が消えた。 「これは、これはいいのか? 本当に? ど、どうすんのよ! どうすんのよ俺ぇ!?」 明らかにリトルからの積極的な意思表示なのは分かっているが、脳内の整理がつかず、 眩暈に似た感覚に侵食される。驚きと、喜びと、欲が沸いて混じっては押し殺す。思考が 混沌に満ちている。 テーブルに頭を打ちつけ、痛みと時間で熱が収まるのを促そうとした。結果は、頭痛が 酷くなって額から血が滲み出てきただけだった。 「いでぇ……」 愚の骨頂って言葉は、今の自分に適しているかもしれない。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/皿゚)_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_ /_/_/ 仕事は既に、終わっている。 自分の住居はここではない。独り身とはいえ、家はある。導き出される、次に取るべき 行動は、"帰路につく"こと。 「……」 「……」 図書館の出入口へ向かう、二人。俺の後ろを俯いたままついてくるリトル。少し振り向 いて、声を掛けようとして、喉がつまり……また歩く。 あれから、会話していない。俺もリトルも。何を話せばいいのかわからない。いや、違 う。リトルの顔を見てしまうと、あの映像が蘇り、全ての言葉が忘却の彼方、だ。 扉が見えた。外に出れば、この重さから解放される。そして同時に、何かが砕け、終わ るとも。 伝える必要があった。 「リトル」 「……はい」 仔猫を思わせる小さな声。背中を向けたまま彼女を見ずに、言を続ける。 「さっきは取り乱して悪かった」 「いえ、あの。私こそあんな、はしたない事をしまして……でも」 「ぁぁ、大丈夫。はしたないとか思ってないし、厭でもないし。寧ろ、踊りたくなる程こ う……なんつーか……あぁ!」 自分の気持ちが言葉にならず、頭を掻き毟る。自分の莫迦さに反吐が出る。 至る所、簡潔かつ直球なものしか選べなかった。 「嬉しかった。初、ってやつだったんだけどさ、俺。相手がリトルなら問題なし。もう癖 になって毎日一回はしてもらわないと気が済まなくなりそうだよハハハハハハッ!」 自分で言って、自分で身体を爆破させたい程、莫迦で下らない。乾いた笑い声が図書館 に響き、虚しさとして耳に戻ってくる。 背中にぶつかる音は、無い。今振り向けば、呆れ顔のリトルが見れるかもしれない。 扉の取っ手を掴み、「お大事にって、主人に伝えておいて」と捨て台詞。 開けば、"おわる"── ──おわらせていいわけ、ないだろう。 扉を開けたいと焦る逃亡の意。踏みとどまれと足を重くする打破の意。頭の中で白い小 人と黒い小人が言い争うなんて喩えがあるが、まさにそんな気分だ。 「ひとつ、聞いていいかな」 また、背中で語る。 「はい」 また、小さな声が背中に刺さる。 「さっきのキスって、俺だから、だよな。だとしたら……俺も同じ考えだ」 「……」 刺さらない。空虚が纏わりつく。 音もなく、腕を捕まれ身体が動かされた。 リトルの手が腕を掴み、自分の身体が半回転し終えた時には、俺達は密着していた。両 手を腰に絡めて離そうとせず、顔は胸元にうずくまっている。 「リトル……」 「あなた以外の方とは、したくないです」 腰を覆った腕の力が少し強くなった。俺の手も、軽くリトルの柔らかな髪を撫でると、 軽い喜びの音と共に身じろぎした。 「俺も、リトル以外は願い下げだ」 顔を上げたリトルと視線があい、笑う。互いの鼻先が触れ、息が二人の熱を共有する。 ただ、後悔はあった。 「しかし、情けないな俺も。自分から切り出すつもりが、リトルに言わせてしまうとは」 切り出す気があっても、逃げ腰だったのが現実。 「雑誌の受け売りですけど……女の子って、想いが強ければ強い程、男の人よりずっと大 きくなれるんですよ」 「確かに、今のリトルは俺の何倍も大きくみえるよ。いいのか? ヘタレな俺で」 わざとらしく、自分を謙らせて悪戯めいた笑いに頬が少し膨れる。ただ、その上目遣い はすぐに、惚けて潤み、蕩ける。 「私には……あなたしかいません。見えません。存在しません」 「ぅ……」 熱視線に気おされる。が、それが悪戯返しだとニヤけた表情に切り替わって理解した。 してやられたと、眉間に皺が寄る。 「そう言われたら、どうします?」 「押し倒して、今夜は寝させないぞ。まである」 「期待してます」 緊張感が無くなり、異常に負担をかけていた膝から力が抜ける。本棚に寄りかかって座 ると、リトルも俺に乗りかかる形で座った。優艶さ漂う吐息が、一寸先は俺の首と、暖か にくすぐってくる。 「私は……魔族です。正真正銘の悪魔です」 「知ってる」 知っているが、俺にとっては関係の無い事。魔族でも悪魔でも。 「でも、それ以前に女の子なんです」 「わかってる」 わかっているからこそ、種族なんて意識せず、俺は接してきた。 「女の子は、大好きな人の事を想うと──溶けちゃうんです。溶けて……大好きな人と同 じ色になっちゃうんです。わかって、頂けますか?」 「……俺の色はかなり酷いぞ。後悔するなよ」 「はい──」 顔を引き寄せ、今度は自分から押し付ける。リトルは拒まず、受け入れてくれた。微か に涙ぐんだ瞳で求めてくる目の前の女の子に激情をかられ、手が柔軟な肌の感触を欲し始 めて震えだす。 理性が本能に蝕まれていく。これが男の"さが"というものなのか── 首筋が、冷えた。とても、金属質な冷たさ。 「業務時間は過ぎました……が、何をしてるんでしょうか?」 紅魔館のメイド長がいた。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/△ )_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 一ヶ月待った、と聞かされた。 俺もリトルも、互いに意識はしていたものの、主人の存在が壁になっていた。加えて持 病の喘息がここぞとばかりに表に出ず、好調だった。本来ならば喜ぶべき話だが、なんと も複雑な期間になってしまっていた。 更には、主人は俺の事を気に入ってくれていたようで、お陰で長期の図書館内業務を受 ける事ができた。そんな主人の俺に対する感情が、リトルにとっては焦燥感そのものだっ たらしい。そして主人の急な体調不良が引き金になった。なんとも、愛らしい話だ。 「──女性のいる前で、他の子を想い耽ってると嫌われるわよ?」 「むぉっ!? これは失礼しました」 館を、木々を、萌える若草を照らす太陽。涼しい風と穏やかな雲の流れ。外に足を向け るには絶好の日和。 「とりあえず、まだ準備に時間かかるようなので、ここで待ちます。メイド長はここにい て大丈夫なんですか?」 「あなた達二人を見送るのも仕事よ。一通りの人員管理も私の役目ですから」 紅魔館の正門前。外出を許されたリトルを待つ俺……と、メイド長。館の上層部が来て るとあってか、普段ボーっとしている門番も胸を張って仁王立ちしている。 「色々とやる事多くて大変ですね。お疲れ様です」 「そう思うなら、厄介事は増やさないでね」 笑顔だが、語気が強い。実直に頭を縦に振った。 「本来、職場恋愛は厳罰なんですから。お嬢様に毎日の感謝をお忘れなきよう」 「わかってますよ、命の恩人ですし」 「一言余計です」 「失礼」 メイド長に発見された後── 問答無用で蹴り飛ばされた俺は意識が吹っ飛び、そのまま無数のナイフに刺されて三途 の川に直行だったはずだが、リトルが本気で大弾投げて騒然となったらしい。翌日、俺の 意識が戻った後、メイド長に連行されて紅魔館当主から処罰を言い渡されたのだが、『そ の程度、目くじら立てる程ではないでしょう、好きになさい』と放任発言。さすがのメイ ド長も豆鉄砲を食らっていた。 そして、公にリトルの"お相手"として認められてはや数日。 図書館の主人は一向に調子が良くならず、今し方長い銀髪の女性が有名な薬剤師のもと へ連れて行くと、背負っていった。 俺とリトルも同行しようとしたのだが、『あんたら分の送迎が面倒だよ』と一蹴されて しまった。要するに、"ひま"が出てしまった。 「まぁ、たまの休みだから羽を延ばしていらっしゃい。お役目も忘れないようにね」 「了解しました」 当主直々から『お遊びついでに、リトルに館外の知識を見せて来なさい』と命令? を 受けて今に至る。『霧雨と博麗という女には近づかないように。いらぬ無駄知識しか増え ないわ。百害あって一利なし、よ』と釘も刺された。 大きく背伸びをして……見れば、はにかむ笑顔。 「お待たせしました。あの……変じゃ、ないですよね?」 「何言ってんだ。似合いすぎて言葉が見つからないぞ」 喜び、笑うリトル。外の眩しい日差しは、彼女の輝きと同化する。 黒き翼に純白のワンピース。白と黒のモノトーン調というのは、格好良くもあり、綺麗 でもあり、可愛くもある。語ろうとして語りきれるものではないだろう。 「行ってらっしゃい。道中、気をつけなさいよ」 「わかりました」 深々と頭を下げて一礼し、メイド長が館の奥へ消えていく。ここからは、二人の時間が 始まるんだと、手を差し伸べた。 「行こうか。丸々一日、遊び倒すぞ」 「はいっ」 勢い良く抱きついてきたリトルを回転しながら抱え上げ、大きく一歩を踏み出す。 遠くに見える木々が風でなびく。俺とリトルの出発に手を振って送ってくれた。 ──想うんだ、俺は。 黒い翼の天使がいてもいいんじゃないかと。なんつってな── 7スレ目 564 小悪魔「はい、これが私との契約書です♪」 ○○ 「おう。」 小悪魔「本当に?本当に私が主側の契約でいいの?」 ○○ 「君はすでにパチェの従者だ…君と絆を作るには、 俺が君の従者になるしかない。」 小悪魔「う、嬉しい…」 (にこ…) ○○ 「で、何処にサインすればいいんだ?」 小悪魔「サインではなく…○○さん自身の血で血判を押してください。 ココに…レミリア様の認可印がありますね、その脇です。」 ○○ 「ここだな。」 俺はこのとき、契約書をよく読みもせずに、指を軽く噛み、自分の血をにじませて、 小悪魔のいわれるがままに血判を押してしまう。 (ぺたっ) 小悪魔「できたー♪」 これでめでたく、俺と小悪魔の主従関係契約が成立…したはずなのだが… ○○ 「おかしいな…何も変わった感じしないぞ…」 小悪魔「はい、だってこれ婚姻届ですから♪」 ○○ 「ぶっ」 小悪魔「悪魔との契約に期限も解約もありませんからねっ!幸せにしてくださいね!」
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真面目系H 小悪魔「こあくま」 くれよ!姉妹が妹 またの名をリトルデビル 見た目は真面目だが、中身はえちぃ なんだ、いつも通りか また、とある眼鏡好きの影響で眼鏡をかける事がある
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小悪魔 Nord(2)/Cost(1) 種族:妖怪 (自動) スペルカードの効果が解決されるたびに、 このキャラクターはターン終了時まで+1/+1を得る。 攻撃力(4)/耐久力(2)/Graze(2) コメント 速攻デッキのエース その攻撃力は十六夜咲夜を超え 霧雨魔理沙と同等の力を持つ さらに時符『プライベートスクウェア』や神術『吸血鬼幻想』を使うと 一時的にだが彼女達を超え 序盤では信じがたい打点を叩き出してくれる。
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小悪魔 サプライ 基本セット 分類 キャラクター 攻撃 20 体力 30 コスト ③ キャラクター能力 - 援護効果 【地下図書館の司書】「体力+20」カードを1枚引く。 イラスト Lv.10 処理 キャラクター能力 なし 援護効果 「体力+20」を得て、山札からカードを1枚引く。 使い方 共通山札戦 援護カードとして使っても山札からカードを引けるため、事実上手札損をしない援護カード。 援護効果も特別強いわけではないため、使えるタイミングで使って手札を入れ替えていこう。 コストが低いため、とりあえず土地に配置して使ってもいい。 デッキ構築ルール 援護で得られる「体力+20」は援護カードの中では比較的低い方。 このカードを採用する理由としては「カードを1枚引く」方を重点として使いたい。 『レティ・ホワイトロック』や『宮古芳香』などカードを引く効果を持つキャラクターと『綿月依姫』を組み合わせるなど、工夫して使いたい。 関連するQA 相性のいいカード 『綿月依姫』 小悪魔 サプライ 図書館と霧の湖 分類 キャラクター 攻撃 20 体力 30 コスト ⑤+1枚 キャラクター能力 【蒐集】このキャラクターを設置しているプレイヤーは、周回ボーナスを得る時にカードを1枚引く。 援護効果 「司書のお仕事」「体力+30」 カードを1枚引く。戦闘終了後お互いのプレイヤーは手札からカードを3枚捨てた後にカードを3枚引く。 イラスト スプライト 処理 キャラクター能力 このカードを配置しているプレイヤーが周回ボーナスを得るとき、山札からカードを1枚引く。 2枚、3枚と複数配置している場合、効果は重複し、山札から2枚、3枚と引くことができる。 条件が「周回ボーナスを獲得する時」のため、通常の周回による周回ボーナスのほか、 EVENTマス、『財宝「ゴールドラッシュ」』、『ナズーリン』『橙』などのキャラクター能力などでもこの効果は発動する。 援護効果 侵略側、防御側両プレイヤーは手札を3枚捨て、山札からカードを3枚引く。 『蓬莱山輝夜』などの手札に戻る効果も同時に発動した場合、先に手札に戻った後に、手札を捨てる効果を処理する。 手札の枚数が2枚以下の場合は、すべて捨て、3枚引く。 それぞれのプレイヤーが捨てるカードを選択する 「援護効果の処理」⇒「コストの支払い」の順番になる。 使い方 共通山札戦 周回ボーナスを獲得する機会は多く、配置する時に手札を1枚使うがそれ以上のリターンが見込める。 体力も30と『禁弾「スターボウブレイク」』を耐え、防衛可能な最低ラインは確保している。 手札が多いという事はそれだけ選択の幅が広がるということなので、きっちりと配置して有利を気づいていこう。 援護効果は地味ながらもトップのプレイヤーへの妨害に使える。 中盤以降は、防衛用のカードや切り札を手札に温存していることが多く、それらを問答無用で捨てさせることができる。 トップとの差を縮めるために使っていこう。 デッキ構築ルール 基本的な使い方は共通山札戦と同じ。 『小悪魔』を複数配置し、『財宝「ゴールドラッシュ」』や『ナズーリン』のキャラクター能力を発動させるなどのコンボを 意図的に発生させる事ができる。 逆にいえば、相手も同じことができるので、相手の手札アドを稼がれる前に早々に倒してしまいたいカードでもある。 関連するQA 相性のいいカード 『財宝「ゴールドラッシュ」』『ナズーリン』『因幡てゐ』『秋穣子』『橙』